確定申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、自宅のパソコンやスマートフォンからe-Taxで送信できます。この記事では、マイナンバーカードを使って提出するまでの手順を、実際の画面名にそって説明します(令和7年分の「パソコンご利用ガイド」にもとづきます)。
対象になる人と準備するもの
確定申告の義務がある人・還付を受けたい人のどちらでも利用できます(対象になる人の分け方は「確定申告が必要な人・しなくていい人」を参照してください)。e-Taxで送信するには次のいずれかが必要です。
- マイナンバーカードと、読み取りに対応したスマートフォン、またはICカードリーダライタ(マイナンバーカード方式)
- すでに発行済みのID・パスワード(ID・パスワード方式。新規発行は令和7年10月1日から停止されています)
このほか、利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)、源泉徴収票や各種控除証明書などの申告に必要な資料を用意しておきます。
手順
- 作成コーナーにアクセスし「作成開始」を押す:ブラウザで「作成コーナー」と検索してアクセスし、トップ画面の「作成開始」を押します。過去の申告データ(.data形式)があれば「保存データを利用して作成」を選ぶと、本人情報などの入力を省略できます。
- 事前確認で提出方法を選ぶ:いくつかの質問に答えると、利用者に適した提出方法が案内されます。主な選択肢は「マイナンバーカード方式」「ID・パスワード方式」「印刷して書面提出」です。マイナンバーカード方式を選ぶと、認証方法として「スマートフォンを使用する」か「ICカードリーダライタを使用する」かを選べます。
- 作成する申告書等を選択する:所得税の申告書を作成する場合は「所得税」を選びます。
- マイナポータル連携の利用を選ぶ(利用する場合):マイナポータル連携を利用すると、給与所得の源泉徴収票情報、医療費通知情報、公的年金等の源泉徴収票情報、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書、生命保険料等の控除証明書といったデータを取得して自動入力できます。事前にマイナポータルでの利用者登録などの準備が必要です。
- e-Taxへログインする:マイナポータルアプリをダウンロードし、パソコン画面に表示されたQRコードをスマートフォンのマイナポータルアプリで読み取ります(QRコード読取アプリやカメラ機能では読み取れません)。その後、利用者証明用電子証明書の暗証番号を入力してマイナンバーカードを読み取ります。初めてマイナンバーカードでe-Taxを利用する場合は、続けて利用者情報の登録を行います。
- 住所等の情報を確認し、申告する所得を選ぶ:登録済みの情報に誤りがないか確認し、「申告する所得の選択」画面で該当する所得にチェックを入れます。
- 収入・所得、控除を入力する:「収入・所得の入力」「控除の入力」の画面で、マイナポータル連携や源泉徴収票などにもとづいて金額を入力します。
- 計算結果を確認し、還付・納付方法等を入力する:「計算結果の確認」画面で税額を確認し、還付される場合は受け取る口座、納付する場合は納付方法を入力します。
- 基本情報とマイナンバーを入力し、送信する:「送信前の申告内容確認」「送信準備」を経て、「申告書の送信」を行います。送信後は「送信結果の確認」画面と、「申告書等送信票(兼送付書)」の表示・保存ができます。
つまづきやすい点と相談先
- マイナンバーカードの読み取りでは、利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)を3回連続で間違えるとロックされます。ロックされた場合は、コンビニ等のキオスク端末や市区町村の窓口で初期化・再設定が必要です。
- マイナポータル連携を使う場合、事前準備(マイナポータルでの利用者登録、証明書等を発行する企業との連携など)に時間がかかることがあるため、期限が近づいてからではなく早めに準備することをおすすめします。
- 操作方法や送信エラーで困った場合は、国税庁の「e-Taxヘルプデスク」や、最寄りの税務署に相談してください。所得税の内容そのものについて相談したい場合は、確定申告会場や税務署の窓口を利用できます。
提出後に間違いに気づいたときの対応
- 法定申告期限内:訂正申告として、正しい内容の申告書を作り直し、期限内にもう一度提出します。期限内に提出された最後の申告書が有効なものとして扱われます。
- 法定申告期限を過ぎてから、税額が少なすぎた・還付が多すぎたことが分かった:修正申告を行います。
- 法定申告期限を過ぎてから、税額が多すぎた・還付が少なすぎたことが分かった:更正の請求を行います。原則として法定申告期限から5年以内に手続きする必要があります。
修正申告と更正の請求のどちらに当たるかは、税額が増えるか減るかで区別されます。確定申告書等作成コーナーでもこれらの書類を作成できますが、判断に迷う場合は税務署に相談してください。
よくある誤解
- 「マイナンバーカードがなければe-Taxはできない」: すでにID・パスワードを持っている人は引き続き利用できますが、令和7年10月1日以降に新しくe-Taxを始める人は、原則としてマイナンバーカード方式が必要です。
- 「間違いに気づいたら必ず修正申告」: 法定申告期限内であれば訂正申告で対応でき、税額が少なくなる方向の間違いであれば更正の請求という別の手続きになります。
- 「マイナポータル連携を使えば全項目が自動入力される」: 自動入力の対象は源泉徴収票や医療費通知、一部の控除証明書などに限られ、対象外の所得や控除は自分で入力する必要があります。
出典
- 国税庁「令和7年分 パソコンご利用ガイド 確定申告書等作成コーナー」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/pdf/r07/sakukonatebiki/pc.pdf
- 国税庁「マイナポータル連携で自動入力!|令和7年分 確定申告特集」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/mynaportal-jidou/
- e-Tax(国税庁)「ID・パスワード方式について」 https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin/idpw.htm
- e-Tax(国税庁)「ID・パスワードの新規発行停止について」 https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2025/topics_20250925.htm
- 国税庁「【申告が間違っていた場合】」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/07.htm
- 国税庁タックスアンサー No.2026「確定申告を間違えたとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm
(いずれも2026年9月26日に確認)