クレジットカードの申し込み画面で「国際ブランドを選択してください」と表示されて手が止まった人向けに、この記事ではブランドを比べる条件を3つ(使える店の広さ、海外事務手数料、国内のタッチ決済対応)に絞って整理します。ブランドは年会費やポイント還元率とは別の軸で、加盟店網と手数料の仕組みそのものが違います。結論を先に書くと、国内での買い物が中心ならどのブランドでも大きな差はなく、海外へ行く機会がある人ほど手数料と加盟店網の差が効いてきます。
比べる条件を先に決める
ブランドを比べるときに見るべき条件は次の3つです。
- 使える店の広さ:国内・海外それぞれで加盟店にどれだけ差があるか
- 海外事務手数料:海外での利用額に上乗せされる手数料の料率
- 国内のタッチ決済対応:レジでかざすだけで支払える店がどれだけあるか
還元率や年会費はカード発行会社(イシュアー)が決める条件であり、国際ブランド自体の比較には含めません。同じ発行会社が複数のブランドで同じカードを出している場合(例:楽天カードのVisa・Mastercard・JCB・Amex)、還元率や年会費はブランドを変えても同じであることが多いためです。
条件1. 使える店の広さ
JCBは公式の採用サイトで、2026年3月末時点の実績として「会員数1億8,192万会員、拡大加盟店は世界約7,200万店、年間取扱高は50兆円を超える」と公表しています。JCBは日本発の国際ブランドで、日本国内での加盟店網は厚い一方、海外の一部地域ではVisa・Mastercardに比べて使える店が少ない場合があります。
Visa・Mastercardは世界の主要な決済インフラとして広く使われており、海外旅行や出張で「どの国でも使えるブランドを1枚持っておきたい」場合は、この2ブランドのいずれかを軸にするのが無難です。ただし、両ブランドとも正確な加盟店数を数値で常時公表しているわけではなく、本記事では確認できた範囲の記述にとどめます。国・地域ごとの対応状況は、渡航前に各ブランドの公式サイトで最新の案内を確認してください。
条件2. 海外事務手数料 ── ブランドではなく発行会社が決める
海外事務手数料は「国際ブランドが決める基準レート」に「発行会社が上乗せする手数料」を加えたものです。ここが発行会社ごとに差が出るポイントです。
楽天カードの公式FAQ(2025年3月4日時点の案内)によると、楽天カードの海外事務手数料はVisa・Mastercard・JCBのいずれも一律3.63%(税込)です。アメリカン・エキスプレスのみ内訳が異なり、アメリカン・エキスプレス側の手数料2.00%と楽天側の手数料1.63%(税込)を合算して同じ3.63%になるとしています。
一方、三菱UFJカードの公式ページでは、ブランドによって料率が異なると案内されています。
| 国際ブランド | 三菱UFJカードの海外事務手数料 |
|---|---|
| Visa/Mastercard | 3.85% |
| JCB | 2.04% |
| アメリカン・エキスプレス | 2.00% |
(三菱UFJカード公式サイトの記載にもとづく。2025年12月26日時点の基準レート例として、Visaは1米ドル約156.31円、Mastercardは約156.68円と案内されています。)
この三菱UFJカードの料率は、2026年11月に引き上げられることが既に公表されています。 三菱UFJニコスの公式発表(2026年5月15日付)によると、三菱UFJカード会員は2026年11月16日利用分から、NICOSカード会員は2026年11月6日利用分から、海外事務手数料がVisa・Mastercard 4.50%、JCB 4.34%、アメックス 4.30%に改定されます。特にJCBは2.04%から4.34%へと2倍以上に上がるため、これから申し込む場合は上の表の現行料率ではなく、この改定後の料率を前提に比較してください(2026年9月確認)。
このように、同じVisaブランドでも発行会社によって手数料率が変わります。 「Visaだから安い」「JCBだから高い」という単純な比較はできません。海外での利用が多い人は、ブランドを選ぶ前に、申し込み予定のカード発行会社が公式ページで案内している海外事務手数料率を確認してください。
条件3. 国内のタッチ決済対応
国内のコンビニ・スーパー・交通機関などでは、Visa・Mastercard・JCBいずれもタッチ決済(かざすだけの決済)に対応する加盟店が広がっています。対応状況は店舗・レジの読み取り機によって差があるため、レジ前で使えるかどうかを判断するには、各ブランドが公式サイトで公開している対応店舗の案内を確認するのが確実です。Visaの場合、三井住友カード公式の解説によると、タッチ決済には原則1万5,000円という上限額があり、これを超える決済ではタッチ決済ではなく暗証番号の入力やサインを求められます(三井住友カード公式、2026年9月確認)。ただし店舗が独自にこれより低い上限(1万円など)を設定している場合もあるため、金額の大きい支払いをする際は店舗側の案内も確認してください。
結論 ── 条件ごとにどちらを選ぶか
- 国内の買い物が中心で、海外へはほとんど行かない人:どのブランドを選んでも実用上の差はほとんどありません。還元率や年会費など、ブランド以外の条件で選んで問題ありません。
- 海外旅行や出張が多い人:まず、申し込み予定のカード発行会社が公式サイトで案内している海外事務手数料率を、ブランドごとに比較してください。同じ発行会社でもブランドによって料率が異なる場合があります(三菱UFJカードの例)。
- 1枚しか持たない予定の人:世界的に加盟店網が厚いVisaかMastercardを軸にすると、海外で使える店が見つからないリスクを抑えられます。
- すでにJCBか他ブランドを持っていて、2枚目を検討している人:1枚目と異なるブランドにしておくと、片方の決済網に障害が起きたときや、渡航先でそのブランドの加盟店が少なかったときの備えになります。無理に3枚・4枚と増やす必要はありません。
国際ブランドは後から変更できるか
申し込み画面で国際ブランドを選択したあと、「やはり別のブランドにしたい」と思っても、同じカード(同じ会員番号)のまま国際ブランドだけを変更できる発行会社は多くありません。ブランドを変えたい場合は、別のブランドで新規に申し込み直すことになるケースが一般的です。すでに他のブランドのカードを持っている場合、2枚目として申し込むか、1枚目を解約してから申し込むかを検討することになります。解約する場合は、支払い登録の付け替えやポイントの扱いなど、確認しておくことがいくつかあります。迷ったら、まずは契約予定の発行会社のサポート窓口に、ブランド変更の可否を確認するのが確実です。
よくある誤解
- 「国際ブランドを変えれば還元率が上がる」という誤解: 還元率や年会費は発行会社が決める条件で、ブランドを変えても同じ発行会社であれば通常は変わりません。
- 「海外事務手数料はどの発行会社でも同じ」という誤解: 楽天カードのように全ブランド一律の発行会社もあれば、三菱UFJカードのようにブランドごとに料率が異なる発行会社もあります。契約前に発行会社の公式ページで確認してください。