ワンストップ特例は、確定申告が不要な給与所得者等で、ふるさと納税の寄附先が5自治体以内の人が、寄附先の自治体に申請書を出すだけで控除を受けられる仕組みです(総務省「ふるさと納税の流れ」)。期限は寄附した翌年の1月10日必着で、控除は所得税からではなく、全額が翌年度の住民税から差し引かれます。

この記事では、自分が対象になるかの確認、申請書の出し方、添付書類、期限に遅れたときや確定申告が必要になったときの扱いを順に整理します。

誰が対象か

総務省の資料と地方税法附則第7条の取扱い(総務省「ふるさと納税ワンストップ特例の取扱いについて」)によると、対象になるのは次の両方に当てはまる人です。

  1. その年の所得税について確定申告をする必要がなく、住民税の申告も(ふるさと納税の控除のため以外に)必要がないと見込まれる人
  2. その年のふるさと納税の寄附先が5自治体以内と見込まれる人

「もともと確定申告が必要な人」は使えません。奥州市は、使えない人の例として、個人事業主、年収2,000万円以上の人、賃貸オーナー、医療費控除を申請する人、公的年金収入が400万円以上の人、年間20万円以上の副業がある人を挙げています。

自分が使えるかの判断表

あなたの状況ワンストップ特例
会社員で年末調整を受けていて、ほかに申告することがない。寄附先は5自治体以内使える
寄附先が6自治体以上になった使えない(確定申告)
医療費控除などで確定申告をする使えない(確定申告に寄附も書く)
個人事業主・不動産収入がある使えない(確定申告)

期限

  • 寄附: その年の12月31日までに入金まで終えたもの(千代田区は「12月31日中に入金確認ができたもの」を当年分としています)
  • 申請書: 寄附した翌年の1月10日必着。期限を過ぎて届いた申請は受け付けられず、千代田区や奥州市は、その場合は確定申告をするよう案内しています
  • 変更届出書: 申請後、翌年1月1日までに住所や氏名などが変わった場合は、翌年1月10日までに寄附先へ提出します(総務省「制度改正について(2015年4月1日)」、神戸町の案内)

必要なもの

  • 寄附金税額控除に係る申告特例申請書: 寄附の申し込み時に送付を希望すると自治体から届くほか、自治体のホームページからダウンロードできる場合があります。様式は総務省令で全国共通に定められています(総務省「ふるさと納税ワンストップ特例の取扱いについて」)
  • マイナンバー(個人番号)の確認書類と、本人確認書類の写し: 神戸町の案内では、次のどちらかです
パターン添付する写し
マイナンバーカードがあるマイナンバーカードの表と裏
マイナンバーカードがない通知カードまたは個人番号付きの住民票 + 運転免許証・パスポートなどの写真付き身分証明書のいずれか1点

必要な書類の組み合わせは、申請書に同封される案内でも確かめてください。

手順

  1. 寄附の申し込み時に、申請書の送付を希望する。 払込票などにある希望欄にチェックしただけでは申請は完了しません。総務省は、送られてくる申請書を記入して提出する必要があると注意しています(「よくある質問」Q13)
  2. 申請書を記入する。 住所・氏名・マイナンバーなどを記入例に従って書きます。申請書には、上の2つの要件(確定申告が不要な給与所得者等であること、寄附先が5自治体以内であること)に当てはまるかを確かめる欄があります
  3. 添付書類の写しを付ける。 上の表のどちらかのパターン
  4. 寄附先ごとに郵送する。 同じ自治体に年に何回か寄附したときは、寄附のたびに申請書が必要です(総務省の取扱い、神戸町の案内)。ただし自治体の数は1と数えます
  5. オンラインで申請できる自治体もある。 総務省によると、令和4年中の寄附から、一部の自治体でマイナンバーカードを使ったオンライン申請ができるようになっています。対応しているかどうか、どのアプリを使うかは寄附先の自治体に確かめてください(奥州市は申請アプリ「IAM」での申請を案内しています)

申請を受けた自治体は、翌年1月11日から1月31日までの間に、住まいの市区町村へ「申告特例通知書」を送ります(総務省「ふるさと納税ワンストップ特例の取扱いについて」)。これで、翌年度の住民税から控除される仕組みです。

つまずく場所と問い合わせ先

つまずく場所どうなるか・どうするか問い合わせ先
1月10日に間に合わなかった特例は使えない。翌年3月15日までに確定申告をする税務署
書類に不備があった受付されない場合がある(神戸町)寄附した自治体
年の途中で6自治体目に寄附したその年の特例はすべて無効になる。確定申告をする税務署
申請後に引越した翌年1月10日までに変更届出書を出す寄附した自治体
控除されたか分からない翌年度の住民税の通知書で確かめる住まいの市区町村の住民税担当

確定申告の期限を過ぎてしまった場合: 国税庁によると、確定申告の義務がない人の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(国税庁「No.2030 還付申告」)。住民税の控除については、住まいの市区町村の住民税の担当課に確認してください。

確定申告に切り替えるときに気をつけること

総務省の通知では、ワンストップ特例を申請した人が確定申告書(または住民税の申告書)を提出すると、その年の特例の申請と申告特例通知書の送付は、すべてなかったものとみなされます。医療費控除などで確定申告をすることになったら:

  • 特例を申請した自治体の分も含めて、その年のすべての寄附を確定申告書の寄附金控除に記載します
  • 各自治体から届いた受領証明書を手元にそろえます

中央区は、確定申告書を出したのに住民税で控除されていない場合、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」の記載漏れが原因になり得ると案内しています。

よくある誤解

  • 「申請すれば所得税も戻ってくる」: ワンストップ特例では所得税からの控除は行われず、その分も含めて全額が翌年度の住民税から差し引かれます(総務省「税金の控除について」)
  • 「5回まで寄附できる」: 数えるのは寄附の回数ではなく自治体の数です。同じ自治体に何回寄附しても1と数えますが、申請書は寄附ごとに必要です
  • 「一度申請したら翌年も自動で続く」: 申請は寄附した年ごとです
  • 「ワンストップ特例のほうが控除が多い」: 控除される総額の考え方は確定申告と同じで、差し引かれる税が住民税にまとまるだけです

手続きの全体の流れはふるさと納税の申し込みから控除までの流れに、寄附してよい金額の目安は住民税所得割額から上限を逆算する方法にまとめています。

出典

(いずれも2026年9月24日に確認)