光回線は、料金表を横に並べる前に決めることが2つあります。住まいが戸建てか集合住宅か、そして建物にすでに光ファイバーの配線が来ているかです。この2つで選べる回線と料金の桁が変わるため、先に確認してから月額料金とスマホのセット割を見るほうが失敗しません。本記事では、この分岐の考え方と、主要な光回線の料金・工事・セット割条件(2026年9月時点で各社公式サイトを確認)を住まいのタイプ別に整理します。
まず「住まいの種類」と「建物の設備」で分岐する
光回線の料金プランは、ほとんどの事業者が「戸建てタイプ」と「マンション(集合住宅)タイプ」を分けて設定しています。マンションタイプのほうが月額料金は安くなりますが、これは建物全体で設備を共有しているためで、個人の努力で戸建て並みの料金にはなりません。
さらにマンションタイプの中でも、建物内の配線方式で速度と工事の有無が変わります。
- 光配線方式:各戸の壁まで光ファイバーが直接来ている方式。戸建てに近い速度が出やすく、新規に回線を引く場合でも工事は比較的簡単です。
- VDSL方式:建物の共用部までは光ファイバー、各戸へは既存の電話線(メタル線)で配線する方式。理論上の最大速度が下がり、建物の配線を変えない限り速度は改善しません。
- LAN配線方式(同軸配線を含む):共用部から各戸まで既存のLAN配線や同軸ケーブルを使う方式。入居者数が多い時間帯に速度が落ちやすい傾向があります。
どの方式かは物件によって決まっており、入居者が選べません。まず管理会社や提供元の「提供エリア・提供可否」の確認ページで、自分の建物がどの方式かを確認してから料金を比較するのが順番として正しい進め方です。すでに光配線方式が来ている建物であれば、多くの光回線が新規の配線工事なしで開通でき、開通までの期間も短くなります。
主要な光回線の月額料金を比較する
住まいのタイプが決まったら、月額料金と工事の有無を比較します。下表は各社の公式サイトで確認できる、1ギガプランの基本料金(月額・税込)です。キャンペーンによる割引後の実質料金ではなく、素の基本料金で揃えています。
| 光回線 | 戸建てタイプ | マンションタイプ | 運営会社系のモバイル回線 |
|---|---|---|---|
| ドコモ光(タイプA・2年定期契約) | 5,720円/月 | 4,400円/月 | ドコモ |
| ソフトバンク光(2年自動更新) | 5,720円/月 | 4,180円/月 | ソフトバンク・ワイモバイル |
| NURO光(基本料金) | 5,170円/月 | 4,180円/月(40戸以上の建物) | ソニーネットワークコミュニケーションズ系(ソフトバンク回線とのセット割あり) |
| auひかり(ホーム・標準プラン/マンションギガ、ネットのみ) | 6,930円/月 | 4,455円/月 | au・UQ mobile |
(2026年9月21日、各社公式サイトの料金ページで確認。NURO光マンションタイプは、2年割適用後は3,530円/月〜になりますが、他社と揃えるため表は割引前の基本料金にしています)
ソフトバンク光は2026年12月から料金が変わる予定です。 ソフトバンク公式サイトによると、2026年12月以降、段階的に全プランが一律330円(税込)値上げされ(自動更新なしプランは2026年12月利用分から、自動更新プランは契約期間満了月の翌月利用分から)、サービス名も「SoftBank 光+」に変わります。上表の戸建て5,720円・マンション4,180円は2026年9月時点の料金のため、これから申し込む場合は改定後の金額(戸建て6,050円・マンション4,510円)を前提に比較してください(10ギガプランは改定対象外、2026年9月確認)。
表から分かる傾向は次の2つです。
- マンションタイプは戸建てタイプよりおおむね1,000〜2,000円前後安い。 建物の設備を共有している分、個人の負担が軽くなります。
- NURO光は戸建て・マンションとも他社より安い水準だが、工事費が別枠で大きい。 基本工事費55,000円を36回の分割にして、同額を毎月割引く仕組みで実質無料にしています(公式サイトによる)。36か月未満で解約すると、残っている分割分を一括で請求されます。
ドコモ光は、NTT東日本・西日本の「フレッツ光」から回線はそのままに契約先だけを切り替える「転用」の場合、工事費がかからないことが公式サイトに明記されています。新規に配線工事が必要な場合の工事費は、代表例として28,600円(税込)が示されていますが、実際の金額は建物の状況によって変わるため、公式の工事料金シミュレーションでの個別確認が推奨されています。ソフトバンク光・auひかりも、対応エリアかどうか・工事が必要かどうかで初期費用が変わるため、契約前に自分の住所での見積もりを確認してください。
セット割は「同じ会社のスマホ回線」が条件
光回線の月額料金だけを見ると差は小さく見えますが、実際の負担額を左右するのはスマホとのセット割です。ここで押さえておきたいのは、セット割は同じグループ会社のスマホ回線を持っていることが適用条件という点です。他社のスマホのままでは、どの光回線を選んでもセット割は使えません。
| 光回線 | セット割の名称 | 割引額(対象プランの場合) | 対象スマホ | 対象範囲 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ光 | ドコモ光セット割 | 永年550〜1,210円/月(プランにより異なる) | ドコモの対象プラン | 同一ファミリー割引グループ(三親等以内)、最大20回線 |
| ソフトバンク光 | おうち割 光セット | 永年最大1,100円/月(一部プランは550円) | ソフトバンク・ワイモバイルの対象プラン | 光回線1回線につき最大10回線 |
| auひかり | auスマートバリュー | 永年最大1,100円/月(U18プランは550円) | auの対象プラン | 光回線1回線につき最大10回線(ホームルーター等を使う場合は最大9回線) |
(2026年9月20日、各社公式サイトの料金・割引説明ページで確認)
例えば、家族4人がドコモの対象プランを使っていて、ドコモ光セット割が1人あたり1,100円/月適用されると、世帯では月4,400円、年間52,800円の差になります。この金額は光回線そのものの月額差より大きくなることが多く、セット割の有無が、どの光回線を選ぶかの決め手になりやすい理由です。一方で、家族のスマホがバラバラのキャリアの場合、光回線1つでは全員分の割引を受けられないため、誰のスマホに合わせるかを先に決める必要があります。
なお、ソフトバンク光のおうち割 光セットは、光BBユニットのレンタルなど月額550円〜の指定オプションへの加入が条件になっているため、光回線の基本料金とオプション料金を合わせた実質負担で比較する必要があります。
住まいとスマホの条件別の結論
- 戸建てで、家族全員がドコモのスマホを使っている人:ドコモ光を候補にし、ファミリー割引グループでセット割の対象人数を確認します。フレッツ光からの転用が使えれば工事費もかかりません。
- 戸建てで、家族全員がソフトバンク・ワイモバイルの人:ソフトバンク光が候補です。指定オプションの月額分を含めた実質料金で、ドコモ光やauひかりと比較してください。
- 戸建てで、家族全員がauまたはUQ mobileの人:auひかりが候補です。3年契約の「ずっとギガ得プラン」は縛りが長い分、月額は標準プランより安くなるため、住み続ける期間の見通しと合わせて選びます。
- どのキャリアにも当てはまらない、または家族のキャリアがバラバラな人:セット割の差が出ないため、月額料金・工事費・建物の配線方式だけで比較して問題ありません。この場合はマンションタイプの基本料金が最も安いNURO光や、フレッツ光からの転用で工事費がかからないドコモ光・ソフトバンク光(コラボ光)が候補になります。
- すでに契約中の回線が光配線方式で速度に不満がなく、家族のスマホとのセット割もすでに効いている人:乗り換える必要はありません。乗り換えで得られる月額差より、解約金や新規の契約事務手数料のほうが大きくなるケースが多いためです。
契約前の落とし穴
- 「実質無料」は継続利用が前提です。 工事費が分割・相殺される仕組みの場合、契約期間中に解約すると残債を一括請求されます。分割の残り回数を契約書か会員ページで確認してから解約を判断してください。
- セット割の対象プランは変わることがあります。 各社とも、対象スマホプランや割引額は時期によって見直されています。本記事の金額は2026年9月時点の確認値のため、契約直前にもう一度公式サイトの最新情報を確認してください。
- マンションの配線方式は自分では選べません。 「光配線方式だから速い」と広告に書かれていても、それは対応可能な建物に限った話です。自分の建物がどの方式かを、契約の前に必ず確認してください。
- 賃貸物件は一括契約に注意します。 「インターネット無料」物件は建物側で回線が決まっていることが多く、個別に他社の光回線へ乗り換えられない、または乗り換えると二重払いになる場合があります。管理会社への確認を契約の最初の一歩にしてください。