2025年10月1日から、ふるさと納税のポータルサイトが寄附に対して独自のポイントを付けることは、総務省の告示で禁止されています(令和6年6月28日付け総税市第67号)。ただし、クレジットカードなどで決済したときに、カード会社が通常の買い物と同じように付けるポイントは禁止の対象外です。

ポイント還元の多さでサイトを選んでいた人は、比べる条件を入れ替える必要があります。この記事では、何が禁止されて何が残るのかを総務省のQ&Aで確かめたうえで、寄附先のサイトを選ぶ条件と、サイトを使わずに自治体へ直接寄附する選択肢を整理します。

何が禁止されたのか

総務省は、寄附に伴ってポイント等を付与する者を通じた募集を自治体に行わせないよう、指定基準を定める告示を改正しました。令和7年(2025年)10月1日以後に始まる指定対象期間から適用されています(令和6年6月28日付け総税市第67号)。

禁止の範囲は、総務省の「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」(令和8年4月1日付け総税市第33号)の問1の3で、次のように示されています。

ポイントの種類扱い
ポータルサイトの運営事業者などが、寄附に付随して付けるポイント等(「マイル」「コイン」など名称を問わない)禁止
ポイントサイトなどを経由してポータルサイトに移って寄附したときに付くポイント等禁止
クレジット会社・キャッシュレス決済事業者が、ふるさと納税の決済だけを対象に上乗せするポイント等禁止
同じく、ふるさと納税以外のサービスの利用状況などに応じて上乗せするポイント等禁止
クレジット会社・キャッシュレス決済事業者が、寄附の決済に伴って付けるポイント等のうち、通常の商取引の決済で付くものに相当するもの禁止の対象外

※出典:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて」(令和8年4月1日付け総税市第33号)問1の3(2026年9月24日確認)

つまり、「ふるさと納税だから多く付く」ポイントは、どこが付けるものでも禁止で、「普段の買い物と同じ率で付く」決済のポイントだけが残ると整理できます。

自治体とサイトの関係も変わりつつある

令和8年度税制改正では、寄附金のうち自治体が事業に使える割合(寄附金活用可能額)を60%以上とする基準が設けられ、令和8年の指定から段階的に適用されます(令和8年は52.5%、令和11年以降60%)。総務省は、各自治体にポータルサイト事業者など外部の事業者に支払う手数料等の見直しを求めています(総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日)。自治体が使うサイトを見直すこともあり得るため、前年に使ったサイトに、今年も同じ自治体が載っているとは限りません。

比べる条件を先に決める

ポイントの差がなくなった後、寄附先のサイトを選ぶときに比べる条件は次の4つです。

条件確かめること理由
①寄附したい自治体・返礼品が載っているか自治体名と返礼品で検索する掲載は自治体と各サイトの契約によるため、サイトごとに違う
②手持ちの決済手段が使えるか普段ポイントを貯めているカードや決済が使えるか残るのは決済で通常付くポイントだけなので、還元の差は決済手段で決まる
③ワンストップ特例の申請がしやすいかオンライン申請に対応しているか、申請書の送付を申し込めるか申請書の1月10日必着の期限を守りやすくなる
④寄附の履歴がまとめて見られるか年ごとの寄附額・寄附先の一覧が出せるか上限の管理と、確定申告のときの受領証明書の確認に使う

③について、総務省によると、令和4年中の寄附から一部の自治体でマイナンバーカードを使ったワンストップ特例のオンライン申請ができるようになっています。対応しているかどうかは寄附先の自治体に確かめてください(総務省「ふるさと納税の流れ」)。

条件ごとの結論

  • 寄附したい自治体が決まっている人: ①だけで決まります。その自治体が載っているサイトの中から、②の決済手段が使えるところを選びます
  • 普段使うカードのポイントを貯めたい人: ②を先に見ます。ただし、カード会社がふるさと納税向けに上乗せするポイントは禁止されているので、還元は普段の買い物と同じ率が上限と考えてください
  • 5自治体以内に寄附し、確定申告をしない人: ③を重視します。期限に遅れると確定申告が必要になります
  • 複数のサイトを使い分けている人: ④の履歴が分散するので、年末に全サイトの寄附額を合計して、上限を超えていないか確かめます

サイトを使わない選択:自治体へ直接寄附する

総務省は、ふるさと納税の申し込み方法は自治体によって異なり、ホームページで申込書を入手できる自治体や、ホームページで申し込める自治体もあると案内しています(「よくある質問」Q8)。

ポイントの差がなくなったことで、サイトを経由する理由が「探しやすさ」と「決済・申請の手軽さ」だけになったと言えます。寄附したい自治体が1つに決まっていて、その自治体のホームページから申し込めるなら、直接寄附してもかまいません。控除の仕組みは、どこから申し込んでも同じです。

返礼品の基準はどのサイトでも同じ

返礼品について自治体が守るべき基準は、地方税法と総務省の告示で決まっています。総務省の資料によると、主な基準は次のとおりです。

  • 返礼品の調達費用は、寄附額の3割以下
  • 返礼品は地場産品であること
  • 寄附の募集を適正に行うこと(返礼品を強調した宣伝広告の禁止などを含む)

これらは自治体に対する基準なので、どのサイトから申し込んでも、同じ自治体の返礼品には同じ基準がかかります。総務省のQ&A(問2)では、ポータルサイトの事業者などが独自に返礼品を強調した宣伝広告を行う場合も、規制の対象になるとされています。

よくある誤解

  • 「カードで寄附するとポイントが付かなくなった」: 通常の決済で付くポイントは対象外です。付かなくなったのは、ふるさと納税向けの上乗せ分です
  • 「ポイントサイト経由なら付く」: ポイントサイトを経由して寄附したときに付くポイントも禁止の対象です(Q&A問1の3)
  • 「ポイントの禁止で控除の額が変わった」: 控除の仕組みは変わっていません。寄附額から2,000円を引いた額が、上限の範囲で所得税と住民税から差し引かれます(総務省「税金の控除について」)

控除の上限は住民税所得割額から上限を逆算する方法に、申請の手順はワンストップ特例の使い方に、全体の流れはふるさと納税の申し込みから控除までの流れにまとめています。

出典

(いずれも2026年9月24日に確認)