一番節約できるのは、家賃・スマホ代・保険料・車の維持費といった固定費です。 一度の手続きで下がった分が毎月続くので、節約アイデアの中で効果が最も大きくなります。固定費の直し方は別の記事に任せ、この記事では日々の買い物の無駄を扱います。総務省の家計調査(2025年)で金額が大きいのは、外食と調理食品(総菜・弁当など)、菓子・飲料・酒のついで買い、そして買ったのに捨てる食品です。効果の大きい順に並べた節約アイデアの一覧で優先順位を決め、「買い物の回数を決める」「在庫の定位置を作る」「決済の前にリストと照らし合わせる」の手順で、意志に頼らずに無駄を減らす方法を整理します。

固定費の見直しは別の記事で

節約アイデアを並べる前に、固定費を見直したかを確かめてください。毎月カツカツで、どこから手を付ければよいか分からない場合は「毎月カツカツの原因と、やめる節約・効く節約の比較」で支出の目安と節約の比較表を、手続きの段取りは「固定費を見直す順番」で扱っています。この記事は、固定費の手続きが一段落した後に取り組む「日々の買い物」に絞ります。

買い物の無駄が生まれる仕組み

日々の買い物の無駄は、多くの場合、次の3つのどれかから生まれます。

店に行く回数が多い。 店に行くたびに、予定になかった菓子や飲み物を手に取る機会が生まれます。1回の額は小さくても、回数が多いと月の合計は大きくなります。

家にある物が見えていない。 在庫を確かめずに買うと、同じ物を二重に買い、古いほうを使い切れずに捨てることになります。農林水産省・環境省の推計では、2023年度の家庭系の食品ロスは233万トンで、内訳は手を付けずに捨てた「直接廃棄」が100万トン(43%)、食べ残しが97万トン(42%)、野菜の皮を厚くむきすぎるなどの過剰除去が36万トン(15%)でした(消費者庁「食品ロス削減関係参考資料」2026年1月14日版)。直接廃棄は、買った時点で使い切れる量を超えていたということです。

ネットで決済の手間がない。 カード情報が保存されていると、欲しいと思ってから買うまでに考え直す間がありません。「初回だけ安い」お試しの商品が、実際には解約するまで続く定期購入だったという相談も続いています。国民生活センターに寄せられた通信販売の定期購入に関する相談は、2023年度80,315件、2024年度89,401件、2025年度93,065件でした(2026年5月31日現在の集計)。

節約アイデアの一覧(効果の大きい順)

下の表は、日々の買い物に関わる節約アイデアを、対象になる支出の大きさの順に並べたものです。支出額は総務省「家計調査(家計収支編)2025年平均」の月平均です。「1割減らしたときの年額」は、二人以上の世帯の月平均額を1割減らした場合の計算例です。

順節約アイデア対象の支出(二人以上の世帯)対象の支出(単身・34歳以下)1割減らしたときの年額
―固定費(家賃・通信・保険・車)を見直す別の記事で扱います別の記事で扱います手続き1回で毎月続く
1外食と総菜・弁当の回数を週単位で決める外食16,563円+調理食品13,580円外食17,430円+調理食品7,785円約36,000円
2菓子・飲料・酒のついで買いを減らす菓子類9,211円+飲料5,859円+酒類3,784円菓子類3,612円+飲料3,228円+酒類790円約22,600円
3食材を捨てない(在庫の定位置と買う前の確認)食料全体94,895円食料全体41,992円捨てている量によって違う
4服は買う枚数と時期を決める被服及び履物10,063円被服及び履物6,013円約12,000円
5趣味の物は欲しい物リストに1週間置く教養娯楽用品7,935円教養娯楽用品7,805円約9,500円
6日用品は置き場所に入る分だけ買う家事用消耗品3,802円家事用消耗品1,403円約4,600円
7定期購入・お試しの条件を注文前に確かめる家計調査に対応する区分なし同左意図しない契約を防ぐ

出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅰ-1-1(二人以上の世帯。各費目に他の世帯への贈答分を含む)、「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 2025年」第2表(2026年9月27日に確認)。

一覧の読み方は次のとおりです。

  • 上から順に手を付けます。 外食と総菜は、二人以上の世帯でも単身・34歳以下でも、日々の買い物の中で最も大きい項目です。単身・34歳以下では、食料費のうち外食が4割を占めています
  • 全部をやる必要はありません。 自分の明細で金額が大きい行を2つ選び、そこだけを1か月続けるほうが確実です
  • 削る目標は「回数」で決めます。 「外食を減らす」ではなく「平日の昼は週3回まで」のように決めると、守れたかどうかが分かります

買い物の無駄を減らす手順

意志の強さに頼らず、買う前の段取りで無駄が入り込む場所をふさぎます。

  1. 1か月分の明細とレシートに印をつける。 予定外に買った物に印をつけ、月末に印の付いた額を合計します。カードやコード決済の明細を1か所で見られるようにしておくと、この作業が短く済みます。方法は「キャッシュレスの明細を1か所で見る手順」で扱っています
  2. 買い物の回数と曜日を決める。 たとえば「食材は火曜と土曜の2回」と決め、それ以外の日は店に寄らないようにします。回数が減るほど、ついで買いの機会が減ります
  3. 在庫の定位置を作る。 冷蔵庫と食品棚で、よく買う物の置き場所を決めます。置き場所が決まっていれば、空いているかどうかで買う必要が一目で分かります。資源エネルギー庁の試算では、冷蔵庫に物を詰め込んだ状態と半分にした状態とで、電気代に年約1,360円の差が出ます(電気31円/kWhで計算)
  4. 出かける前に買う物リストを作る。 在庫の定位置を見ながら、足りない物だけを書き出します。家族がいる場合は、全員が書き込める共有のメモを使うと二重買いが減ります
  5. 決済の前にリストと照らし合わせる。 レジに並ぶ前、ネットならカートの画面で、リストにない物を一度外します。本当に必要なら次回のリストに書きます
  6. ネット通販は、買うまでに間を置く。 カートに入れて1日以上置く、カード情報を保存しない、の2つで、欲しいと思った瞬間に買う流れを止めます。お試しの商品は最終確認画面で定期購入の条件を確かめ、画面を保存しておきます
  7. ポイントは、買う予定の物にだけ使う。 還元のために予定外の物を買うと、還元額より支出のほうが大きくなります。期限切れで失わない管理は「ポイントの有効期限を切らさない方法」を参照してください

1か月続けたら、手順1の印の合計を前の月と比べます。減っていれば手順はそのまま、減っていなければ、印の多い品目(菓子、飲料、総菜など)を見て、手順2の回数か手順5の照らし合わせを見直します。

定期購入で気をつけること

2022年6月1日に施行された改正特定商取引法で、通信販売の事業者は、注文を確定する直前の最終確認画面に、商品の分量、販売価格、支払いの時期と方法、引渡しの時期、申込みの期間、申込みの撤回や解除に関する事項を表示することが義務付けられました。誤認させる表示によって申し込んだ場合は、申込みを取り消せることがあります(国民生活センター「改正特定商取引法が施行されました」)。

注文の前には、最終確認画面で次の3点を確かめてください。

  • 何回分の購入が条件になっているか(「回数縛りなし」でも、解約するまで続く契約の場合があります)
  • 2回目以降の価格と、支払いの合計額
  • 解約の方法(電話のみ、など)と、解約を受け付ける期限

困ったときは、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターにつながります。

実行時の落とし穴

安売りで買いだめして、使い切れずに捨てる。 大容量や特売は、使い切れたときだけ割安です。家庭系の食品ロスの4割強が手を付けないまま捨てた食品である以上、買う量は「次の買い物の日までに使い切れる分」を上限にします。

日用品のまとめ買いで、置き場所があふれる。 置き場所に入らない量を買うと、在庫が見えなくなり、同じ物をまた買います。手順3の定位置に入る分だけにします。

外食や総菜をゼロにしようとする。 自炊だけにすると続かず、疲れた日にまとめて取り戻すことになりがちです。回数の上限を決め、その範囲では気にせず使うほうが続きます。

記録を細かくしすぎる。 1円単位の家計簿をつけることが目的になると、時間がかかって続きません。この記事の手順で数えるのは「予定外の買い物」の合計だけです。

日々の買い物だけで家計を立て直そうとする。 買い物の節約は毎回の判断が必要なため、忙しい時期に緩みやすく、効果が続くとは限りません。固定費は手続き1回で下がった分が続きます。毎月の残りが足りない場合は、固定費の側から先に見直してください。ほかの記事は「家計と貯蓄」の一覧から探せます。

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出典

(いずれも2026年9月27日に確認)