引越しの手続きの中で、期限が法律で決まっているのは転入届です。住民基本台帳法第22条は、転入をした日から14日以内に市町村長へ届け出なければならないと定めており、正当な理由がなく届け出ないと同法第52条により5万円以下の過料の対象になります。転出届(同法第24条)には「あらかじめ」としか定められておらず、引っ越す前に届け出るものとされています。

この記事では、役所の手続きと、電気・ガス・水道・郵便の手続きを、やる順番で整理します。

誰が対象か・いつまでか

  • 市区町村をまたいで引っ越す人(同じ市区町村内での引っ越しは「転居届」で、期限は同じく14日以内)
  • 転出届: 引っ越す前(「あらかじめ」)
  • 転入届: 引っ越した日から14日以内

必要なもの

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • マイナンバーカード(電子証明書が有効なもの。オンライン申請をする場合)
  • 印鑑(自治体・手続きによって求められる場合がある)
  • 旧居・新居それぞれの住所

手順1. 引っ越す前:転出届を出す

引っ越す前に、いまの住所の市区町村へ転出届を出し、転出証明書を受け取ります(マイナンバーカードで転入届をオンライン申請する場合、転出証明書は不要な場合があります)。

マイナンバーカードをお持ちの方: マイナポータルの「引越し手続オンラインサービス」から、転出届の提出と、引っ越し先での転入届提出のための来庁予定の連絡を、オンラインでまとめてできます。

手順2. 引っ越す前後:電気・ガス・水道・通信の手続き

契約している電力会社・ガス会社・水道局・インターネット回線の窓口やマイパページから、使用停止(旧居)と使用開始(新居)の手続きをします。ガスの開栓は、多くの場合、係員の立ち会いが必要です。手続きに必要な日数は事業者によって異なるため、契約している事業者の案内で確認してください。

手順3. 引っ越した日から14日以内:転入届(転居届)を出す

新しい住所の市区町村の窓口で、転入届(同じ市区町村内の引っ越しは転居届)を出します。転出証明書(発行されている場合)と本人確認書類を持参します。

マイナンバーカードをお持ちの方: 手順1でオンラインの来庁予定を連絡していれば、窓口での待ち時間が短くなる場合があります。ただし、転入の手続きそのものは、本人確認や住民票の記載のために窓口への来庁が必要です。あわせて、マイナンバーカードの継続利用の手続きと、署名用電子証明書の更新も窓口で行います(署名用電子証明書の更新は代理人ではできず、本人の来庁が必要です)。

手順4. 転入届と同じタイミングでできる手続き

窓口が同じ、または近い手続きとして、次のものがあります(すべての自治体で同じ窓口とは限りません)。

  • マイナンバーカードの住所変更
  • 国民健康保険・国民年金の住所変更(加入している場合)
  • 児童手当・母子手帳など、子どもに関する手続き(対象者がいる場合)

手順5. 郵便物の転送を申し込む

日本郵便の「転居・転送サービス」に申し込むと、旧住所宛の郵便物を新住所に無料で転送してもらえます。転送期間は届出日から1年間です。申し込みは、日本郵便のアプリ・Webサイトの「e転居」(本人確認済みの「ゆうID」でログイン、最短5分)、郵便局の窓口、または転居届の用紙をポストに投函する方法があります。登録までに3〜7営業日かかるため、早めの申し込みが案内されています。

つまずきやすいところと問い合わせ先

つまずく場所確かめる先
転出証明書が必要かどうか分からない引っ越し先の市区町村の窓口・マイナポータル
マイナンバーカードの電子証明書が失効している引っ越し先の市区町村の窓口(電子証明書の更新)
ガスの開栓の立ち会いの日程が合わない契約しているガス会社の窓口
郵便の転送の登録が間に合わない日本郵便の窓口・カスタマーサービス

よくある誤解

  • 「転入届も好きなときに出せばよい」: 住民基本台帳法第22条で、転入した日から14日以内と定められています。過ぎると同法第52条により過料の対象になり得ます
  • 「マイナンバーカードがあれば役所に行かずに全部終わる」: オンラインでできるのは転出届の提出と、転入手続きのための来庁予定の連絡までです。転入の手続き自体は窓口での本人確認が必要です
  • 「郵便の転送は引っ越してからでよい」: 登録に3〜7営業日かかるため、旧居にいるうちに申し込んでおくと、郵便物の届かない期間を短くできます

出典

(いずれも2026年9月25日に確認)