電気とガスをまとめると安くなるかは、セット割の割引額と、それぞれを一番安い会社と別々に契約した場合の合計を比べれば分かります。セット割の割引額は意外と小さいことがあり、たとえば東京ガスの基本プランのセット割(基本料金と電力量料金の合計の0.5%)を同社の公表料金で計算すると、契約電流30A・月300kWhで月54円です(燃料費調整額と再エネ賦課金を除いた計算。料金は東京ガス公式、2026年9月24日確認)。

東京ガス自身も、セット割の案内で「ご利用状況等により切替前の電気料金より安くならない場合があります」と注記しています。この記事では、セット割の実額の出し方と、単体で契約した場合と比べる手順、解約の条件を整理します。

比べる条件を先に決める

  1. 割引の形: 定率(料金の◯%)か、定額(月◯円)か
  2. 割引の対象: 基本料金だけか、電力量料金も含むか。燃料費調整額や再エネ賦課金は含むか
  3. 適用条件: 契約者・使用場所の一致、支払い方法の合算、申し込みの要否
  4. 契約の条件: 契約期間、解約金、片方だけ解約したときの扱い
  5. セット以外の料金の差: 燃料費調整の上限の有無、基本料金・電力量料金の単価

条件1〜3. 東京ガスのセット割(公式ページで確認した例)

メニュー割引の形割引の内容
基本プラン定率(ガス・電気セット割 定率B)毎月の電気料金の基本料金と電力量料金の合計額(税込)の0.5%(小数点以下切り捨て)
ずっとも電気3定額(ガス・電気セット割 定額A)毎月の電気料金の基本料金から275円(税込)

※ずっとも電気3は、東京ガスの説明では、商店・事務所・工場・マンション共用部など動力を使う契約向けのメニューです。

適用条件(すべて満たし、申し込みが必要):

  • 東京ガスの都市ガスと電気の使用場所が同じ
  • ガスと電気の契約者が同じ
  • ガス料金と電気料金を合算して支払う(同じクレジットカード、同じ口座からの振替、同じ払込書のいずれか)

※出典:東京ガス「ガスと電気をまとめておトクな『ガス・電気セット割』」(2026年9月24日確認)

セット割の実額を計算する

東京ガスが公表している基本プランの料金(税込)は次のとおりです。

項目料金
基本料金(契約電流30A)935.22円
電力量料金 第1段階(120kWhまで)1kWhあたり29.70円
電力量料金 第2段階(120kWh超〜300kWh)1kWhあたり35.69円
電力量料金 第3段階(300kWh超)1kWhあたり39.50円

※出典:東京ガス「電気料金メニュー『基本プラン』」(2026年9月24日確認)

この料金で、セット割(0.5%)の額を使用量ごとに計算すると次のようになります。

月の使用量基本料金+電力量料金セット割(0.5%、切り捨て)年間の目安(×12)
200kWh7,354.42円36円432円
300kWh10,923.42円54円648円
400kWh14,873.42円74円888円

※契約電流30Aの場合。再エネ賦課金は基本料金・電力量料金とは別に加算されるため含めていません。また、東京ガスの説明では電力量料金は燃料費調整単価を加算・差し引きして計算されるため、実際の割引額は、その月の燃料費調整単価によって上の表から上下します(表は燃料費調整額を除いた計算です)。

定額型の場合は、使用量に関係なく割引額は一定です。ほかの会社のセット割を比べるときは、定率か定額かを先に確かめ、自分の使用量で割引額を出してください。

単体で契約した場合と比べる

セット割があるかどうかより、電気料金全体でどちらが安いかが大事です。

  1. 今の電気の使用量(月ごと)を検針票から拾う
  2. セットにする場合の電気料金を計算し、セット割を差し引く
  3. 別の会社と電気だけ契約した場合の電気料金を、同じ使用量で計算する
  4. ガスも同じように比べる(ガスを替える場合)
  5. 電気とガスの合計で比べる

電気料金の比べ方の詳しい手順(燃料費調整額や再エネ賦課金の扱い)は、電気料金プランの見直し方にまとめています。

燃料費調整の上限に注意: 東京ガスは、基本プランの案内で、大手電力会社の規制料金(従量電灯Bなど)には燃料費調整単価の加算に上限がある一方、同社の電気料金には上限がなく、燃料価格が高騰している場合は同社の電気料金の方が高くなる場合があると説明しています。セット割の数十円より、燃料費調整額の差の方が大きくなる月があり得るので、上限の有無も並べて比べてください。

条件4. 契約期間と解約

東京ガスは、よくある質問で、電気を解約した場合、原則として解約金や違約金は発生しないとしています。

ただし、セット割は「ガスと電気の両方を同じ契約者・同じ場所で契約し、合算して支払う」ことが条件なので、片方を解約したり、支払い方法を分けたりするとセット割の条件を満たさなくなります。 ほかの会社のセット割では、契約期間や解約金が決まっている場合もあるので、申し込む前に定義書やよくある質問で確かめてください。

条件ごとの結論

  • 使用量が少ない家庭(月200kWh前後以下): 定率型のセット割は月数十円程度になりやすいので、セット割より、電気の単価や燃料費調整の条件で選びます
  • 使用量が多い家庭: 定率型の割引額は増えますが、上の計算例のとおり400kWhでも月74円です。単価の差の方が影響は大きくなります
  • 支払いを1つにまとめたい家庭: セットにすると、合算払いで明細がまとまる利点があります。割引額が小さくても、管理の手間を減らしたいなら選ぶ理由になります

選ばない場合の結論

セット割の額より、電気料金全体(単価と燃料費調整の条件)の差が大きいなら、セットにせず、電気とガスをそれぞれ安い会社と契約する方が安くなります。勧められたからといってセットにする必要はありません。

よくある誤解

  • 「セットにすれば必ず安くなる」: 東京ガス自身が、利用状況等により切替前より安くならない場合があると注記しています
  • 「セット割は電気料金全体から割り引かれる」: 東京ガスの基本プランでは、割引の対象は基本料金と電力量料金の合計です。再エネ賦課金は別に加算されます
  • 「自動でセット割になる」: 東京ガスでは、適用の申し込みが必要です

支払いが遅れたときの扱いは電気・ガスの支払いが遅れたときにまとめています。

出典

(いずれも2026年9月24日に確認)