「返却すれば安くなる」と案内される端末の分割払い(残価設定型のプログラム)は、実際には総額のうちの一部を後回しにしているだけの仕組みです。返却する場合と返却しない場合で、支払う総額がいくら変わるのかを、実際の価格表をもとに比べます。
比べる軸を先に決める
- 分割回数と返却できるタイミング: 何回払いで、いつからいつまでに返却すれば残価の支払いが不要になるか
- 免除される金額: 返却によって、支払わなくてよくなる金額はいくらか
- 返却時の査定条件: 破損や不具合があると、追加費用が発生する条件は何か
- 返却しない場合の総額: 端末を使い続けた場合、結局いくら払うことになるか
3社の残価設定型プログラムを比べる
| NTTドコモ「いつでもカエドキプログラム」 | au「スマホトクするプログラム」 | ソフトバンク「新トクするサポート+」 | |
|---|---|---|---|
| 分割回数 | 24回 | 24回(支払期間26カ月) | 48回 |
| 返却できるタイミング | 24回目(最終回)の支払い前まで(23カ月目まで) | 13〜25カ月目 | 13〜24カ月目(特典A)/25カ月目以降(特典B) |
| 返却で免除される金額 | 24回目(残価)の支払い | 最終回(残価)の支払い | 特典Aで最大36回分、特典Bで最大24回分の機種代金 |
| 返却しない場合 | 支払期間が49カ月に延長され、残価を再分割 | 25カ月目以降も利用する場合、残額をさらに分割できる | 48回すべてを支払う |
| 利用料・査定での追加費用 | プログラム利用料(2026年3月5日以降の購入分から最大22,000円、ドコモでの買い替えなら免除)。故障・破損時は故障時利用料が発生 | 故障・破損時の故障時利用料:最大22,000円(2025年9月以降発売のiPhoneは0円) | 特典利用料最大22,000円(対象機種への買い替えで0円)。査定ランクにより故障時負担金:Cランク最大22,000円、Dランク最大44,000円 |
(2026年9月26日に各社公式サイトで確認)
具体例:返却する場合と返却しない場合の総額
au公式の価格表(2025年9月11日時点の情報として公開)によると、「スマホトクするプログラム」でiPhone 17 Pro(256GB、機種変更の場合)を購入すると、次のようになります。
- 機種代金の総額: 214,900円
- 24回の分割: 初回4,494円+2〜23回目4,473円(22回)+最終回(残価)112,000円
- 13〜25カ月目に返却した場合の実質負担額: 102,900円(初回+2〜23回目の合計。最終回の112,000円が免除される)
- 返却しない場合: 総額214,900円を支払う(25カ月目以降も利用する場合は、残額をさらに分割して支払う)
つまり、この例では、返却するかしないかで112,000円の差が生まれます。ただし、返却時に画面割れなどの査定で問題があると判定されると、最大22,000円の故障時利用料が別途発生する場合があるため、その分は差額から差し引いて考える必要があります。
条件ごとの結論
- 2年ほどで次の機種に変える予定がある人: 返却タイミング(多くの場合13カ月目以降)に返却する前提で契約すれば、実質負担額を抑えられます。返却時の端末の状態(画面割れ・水濡れなど)に注意が必要です。
- 長く使い続けたい・下取りに出すか迷っている人: 返却しない場合、支払う総額は通常の分割払いとほぼ同じになるため、残価設定であることのメリットは小さくなります。
- 端末を雑に使う可能性がある人: 返却時の査定で故障時利用料(最大22,000円〜44,000円程度)が発生する可能性を踏まえて、総額を見積もる必要があります。
選ばない場合の結論
同じ機種を長期間(例えば返却の上限タイミングを超えて)使う予定であれば、残価設定型のプログラムに加入する必要はありません。総額で見ると通常の分割払いとほぼ同じ金額になるため、返却の予定がないなら、プログラムの利用料(発生する場合)がかからない購入方法を選ぶ方が、条件によっては単純になります。
よくある誤解
- 「残価設定にすれば端末が安く買える」: 誤りです。安くなるのは「期限内に返却した場合」のみで、返却しなければ総額は通常の分割払いとほぼ同じです。
- 「画面が多少割れていても、返却すれば無条件で残価が免除される」: 誤りです。各社とも一定以上の破損があると、追加の費用(各社で数万円程度)が発生する場合があります。
出典
- NTTドコモ「いつでもカエドキプログラム」 https://www.docomo.ne.jp/campaign_event/kaedoki_program/
- NTTドコモ「『いつでもカエドキプログラム』利用条件の一部変更(プログラム利用料の新設など)について」 https://www.docomo.ne.jp/campaign_event/kaedoki_program_notice/
- au「スマホトクするプログラム」 https://www.au.com/mobile/tokusuru-program/
- au公式 iPhone価格表(2025年9月11日時点) https://www.au.com/content/dam/au-com/extlib/iphone/csv/files/iphone_au-price_2509_e9ea8b965633560e.pdf
- ソフトバンク「新トクするサポート+」 https://www.softbank.jp/mobile/products/new-tokusuru-support-plus/
(いずれも2026年9月26日に確認)