光回線の乗り換えは、手順が1つではありません。いまどこと契約しているかによって3つに分かれ、どれに当てはまるかで工事の有無も、料金が二重にかかる期間の有無も変わります。まずここを判定するところから始めます。

まず自分がどの経路になるかを判定する

いまの契約移り先使える手続き工事
フレッツ光(NTT東日本・西日本と直接契約)ドコモ光・ソフトバンク光などの光コラボ転用原則不要
光コラボ(ドコモ光・ソフトバンク光など)別の光コラボ事業者変更原則不要
光コラボ・フレッツ光auひかり・NURO光など独自設備の回線どちらも使えない(新規契約+解約)必要
auひかり・NURO光など光コラボ・フレッツ光どちらも使えない(新規契約+解約)必要

(2026年9月21日、NTT東日本・NTT西日本の手続き案内ページで確認)

転用と事業者変更は、いずれもNTT東日本・西日本の光ファイバー設備をそのまま使い続けたまま、契約先だけを切り替える仕組みです。NTT西日本の案内では「新たに工事などを実施することなく」切り替えられるとされており、注釈で一部に工事が必要な場合があることも示されています。

判定に迷ったら、いま毎月の請求がどこから来ているかを見てください。NTT東日本・西日本から回線料、プロバイダから接続料と別々に請求されていればフレッツ光です。1社にまとまっていれば光コラボです。

経路1:フレッツ光から光コラボへ移る(転用)

  1. NTT東日本・西日本から「転用承諾番号」を受け取ります。 Webまたは電話で申し込みます。お客さまID(CAF・COPで始まる番号)か、電話番号と契約者名が必要です。
  2. 番号の有効期間は発行日から15日間です。 期限を過ぎると無効になり、取り直しになります。
  3. 移り先の事業者へ申し込み、転用承諾番号を伝えます。 ここで工事の要否と切り替え予定日が決まります。
  4. 切り替え日に、接続機器の設定を変更します。 ルーターに入っている接続用のIDとパスワードを、新しい事業者のものに入れ替えます。
  5. フレッツ光の契約は自動的に終了します。 自分で解約の電話を入れる必要はありません。

注意したいのは、プロバイダ契約の扱いです。 フレッツ光では回線とプロバイダが別契約になっているため、転用しても旧プロバイダの契約が自動では終わらないことがあります。転用の完了後に、旧プロバイダへ解約の連絡が必要かどうかを確認してください。ここを放置すると、使っていない接続料を払い続けることになります。

経路2:光コラボから別の光コラボへ移る(事業者変更)

  1. いま契約している事業者から「事業者変更承諾番号」を受け取ります。 引き止めの案内を受けることがありますが、番号の発行自体は断られません。
  2. 有効期限を必ず聞いてください。 NTT東日本・西日本は、事業者変更承諾番号の有効期限を超えた場合は取り直しが必要としたうえで、具体的な日数は契約中の光コラボレーション事業者への確認を案内しています。事業者ごとに異なるため、番号と一緒に期限を控えておきます。
  3. 移り先へ申し込み、承諾番号を伝えます。
  4. 切り替え日に接続機器の設定を変更します。 手順は転用と同じです。
  5. 旧事業者の契約は自動的に終了します。

事業者変更は、回線が止まる期間が生じないことと、新規の工事費がかからないことが利点です。そのぶん、解約金と工事費の分割残債は旧事業者から請求されます。

経路3:独自設備の回線が絡む場合(新規契約と解約)

auひかり、NURO光、電力会社系の回線などは、NTT東日本・西日本の設備とは別の設備を使っています。そのため転用も事業者変更も使えず、新しい回線を新規に契約し、古い回線を解約するという2つの手続きになります。

この経路だけ、順番の設計が要ります。

  • 新しい回線を開通させてから、古い回線を解約します。 逆にすると、開通までの数週間インターネットが使えません。
  • 重なる期間は両方に料金がかかります。 開通日が決まってから解約を申し込めば、重複は1か月程度に収まります。
  • 撤去工事の要否を確認します。 事業者によっては、解約時に設備の撤去工事が必要で、費用が発生する場合があります。賃貸では原状回復の条件とあわせて確認してください。

乗り換えの前に確認する5項目

  1. 解約金の有無と金額:契約期間の途中かどうか。更新月が近いなら待つ判断もあります。
  2. 工事費の分割残債:残り回数と残額。会員ページか契約書で確認できます。
  3. 契約事務手数料:移り先で新たに発生します。
  4. スマホとのセット割:乗り換えでセット割の対象から外れると、光回線の月額が下がってもスマホ側が上がります。世帯合計で比べてください。
  5. プロバイダのメールアドレス:使えなくなる前提で、登録先の付け替えを済ませておきます。

1〜3を足した金額を、乗り換えで下がる月額差で割ると、何か月で元が取れるかが出ます。その月数より長く住む見込みがあるかどうかが、判断の基準になります。

申し込んだあとで「やめたい」と思ったとき

電気通信事業法の初期契約解除制度により、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、事業者の合意なく契約を解除できます。固定のインターネットサービスも対象に指定されています。解除した場合、それまでに利用したサービス料・一定の工事費・事務手数料は支払う必要がありますが、それ以外の契約解除料はかかりません(総務省)。

なお「確認措置」という、初期契約解除制度に代わる制度もありますが、総務省の案内によると、これは大手携帯電話会社など一部の事業者が、店舗販売・通信販売で契約した移動通信サービス(スマホ・携帯電話など)向けに導入しているものです。光回線のような固定のインターネットサービスで確認措置が使われるという記載は確認できませんでした。固定回線の契約でどちらの制度が適用されるかは契約書面に明記されているはずなので、受け取ったらその日のうちに確認しておいてください。

契約前の落とし穴

  • 承諾番号を先に取らないでください。 有効期間があるため、申し込み先を決めてから取るのが確実です。転用承諾番号は発行日から15日間、事業者変更承諾番号は事業者ごとに異なります。
  • フレッツ光からの転用では、旧プロバイダが残ることがあります。 転用の完了後に請求が止まっているかを1か月後に確認してください。
  • 「解約金負担」のキャンペーンには条件があります。 上限額、申請の期限、必要な書類(解約時の請求書など)が決まっていることが多く、申請しなければ支払われません。適用条件を申し込み前に確認し、解約の書類は捨てずに保管してください。
  • 工事が必要な経路では、開通までの期間を見込んでください。 繁忙期(3〜4月)は工事の予約が取りにくく、申し込みから開通まで1か月以上かかることがあります。在宅勤務があるなら、空白期間を作らない順番を守ってください。
  • 集合住宅では建物側の制約が先に効きます。 一括契約の物件では、個別に乗り換えられない、または乗り換えると二重払いになる場合があります。管理会社への確認を最初に済ませてください。