家具や家電を処分する方法は、自治体の粗大ごみ、家電リサイクル法にもとづく小売店への引き取り依頼、民間の不用品回収業者の3つに分かれます。費用の安さだけで選ぶと、無許可の業者によるトラブルに遭うことがあります。それぞれの違いと、安全な選び方を整理しました。

処分方法を比べる

処分方法主な対象費用の目安注意点
自治体の粗大ごみ家具・布団・自転車など(家電リサイクル法対象の4品目を除く)自治体ごとに品目別の手数料(港区の例では200円〜3,200円程度)収集日の予約が必要。申込みから収集まで日数がかかることがある
小売店への引き取り依頼(家電リサイクル法)テレビ・冷蔵庫冷凍庫・洗濯機衣類乾燥機・エアコンリサイクル料金+収集運搬料金(品目・メーカーにより異なる)自治体の粗大ごみでは出せない。購入店や買い替え先への依頼が基本
許可を受けた民間の不用品回収業者大量の不用品、急いで片付けたい場合など業者ごとに異なる(自治体より高くなることが多い)「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持つ業者か必ず確認する
無許可の業者(避けるべき)-「無料」をうたうことが多いが実際は高額請求の例も廃棄物処理法違反。トラブルが多数報告されている

自治体の粗大ごみ

家具や布団など、家電リサイクル法の対象外のものは、多くの場合、自治体の粗大ごみ収集に申し込んで処分します。費用は自治体ごとに品目別に定められており、例えば港区の案内では、布団やいすなどは400円、ソファ(1人用)は900円、机やベッドマットなどは1,300円といった具合に、品目ごとに手数料券の金額が決まっています。自分が住んでいる自治体の金額は、自治体のホームページで「粗大ごみ」と検索して確認してください。

自治体の粗大ごみの申し込み手順

粗大ごみを出す手順は自治体によって多少異なりますが、おおむね次の流れです。

  1. 自治体の粗大ごみ受付センター(電話またはインターネット)に申し込み、処分したい品目を伝える
  2. 品目ごとの手数料と、収集日・収集場所の案内を受ける
  3. コンビニエンスストアや自治体の指定店舗で、案内された金額分の「粗大ごみ処理券」(シール状の券)を購入する
  4. 処理券に受付番号などを記入し、品物の見えやすい場所に貼り付けて、指定された収集日に指定場所へ出す

申し込みから収集まで、自治体や時期によっては1〜2週間程度かかることがあります。引越しなど日程が決まっている場合は、早めに申し込んでください。

家電リサイクル法の対象品目

テレビ(ブラウン管式・液晶式・有機EL式・プラズマ式)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機、エアコンの4品目は、家電リサイクル法の対象で、自治体の粗大ごみ収集では引き取ってもらえません。これらを処分する場合は、購入した小売店や、買い替え先の小売店に、収集運搬料金とは別に、資源として再商品化するための「リサイクル料金」を支払って引き取ってもらいます。リサイクル料金はメーカーや品目によって異なるため、処分する前に確認してください。

民間の不用品回収業者を使う場合の注意

家庭から出るごみは「一般廃棄物」にあたり、これを収集運搬できるのは、市区町村から「一般廃棄物収集運搬業」の許可を受けた事業者に限られます。産業廃棄物収集運搬業の許可や古物商の許可では、家庭から出るごみを収集運搬することはできません。

軽トラックで住宅街を巡回しながら「不用品を無料で回収します」とアナウンスする業者や、チラシ・インターネット広告で「無料回収」とうたう業者の多くは、この一般廃棄物収集運搬業の許可を持っていません。こうした業者に依頼すると、料金に関するトラブル(無料のはずが高額請求された)や、回収した不用品の不法投棄、不適正な保管による火災といった事例が、各自治体から注意喚起されています。無許可の業者に収集運搬を依頼する行為自体も、廃棄物処理法に違反します。

民間業者を使う場合は、自治体のホームページで案内されている許可業者の一覧を確認するか、依頼前に「一般廃棄物収集運搬業の許可番号」を提示してもらい、見積書の発行とキャンセル時の対応を確認してから依頼してください。

無許可で一般廃棄物の収集運搬を業として行うことは、廃棄物処理法第25条により、5年以下の拘禁刑(懲役)もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される重い罰則の対象です。法人が行った場合は、同法第32条の両罰規定により3億円以下の罰金が科されます。依頼した消費者自身が罰せられるわけではありませんが、これほど重い罰則が設けられていること自体が、無許可業者に依頼した場合のトラブルの深刻さを示しています。「無料」「今だけ」といった言葉で判断せず、許可の有無を確認する一手間を惜しまないでください。処分する物の量が多い引越しのタイミングでは特に業者選びを急ぎがちですが、荷造りの計画を早めに立て、自治体の粗大ごみ収集の予約枠が埋まる前に申し込んでおくと、無許可業者に頼らずに済みます。引越し業者によっては、不用品の引き取りサービスを提供している場合もあるため、見積もりの際にあわせて相談してみるのも一つの方法です。どの方法を選ぶにしても、費用と日程の両方に余裕を持って準備することが、無許可業者への依頼を避ける一番の近道になります。急な片付けが必要になったときほど、焦って目の前の業者に頼まず、一呼吸置いて確認する習慣を持ってください。

出典

(いずれも2026年10月1日に確認)