決済アプリの履歴に覚えのない支払いを見つけたら、①取引履歴で中身を確かめる → ②カードとアカウントを止める → ③警察に届け出る → ④補償を申請するの順に進めます。補償には期限があり、PayPayの場合は損害発生日から60日以内の申請が条件で、事前に警察へ届け出ていることが必要です(PayPayヘルプ「不正利用に伴う補償申請について」、2026年9月24日確認)。

この記事では、PayPayの公式ヘルプで確認できた手順と条件を例に、各段階でやることと窓口を整理します。ほかのアプリでも流れは同じですが、窓口の電話番号や補償の条件は事業者ごとに違うため、使っているアプリの規約で必ず確かめてください。

誰が対象か・いつまでに動くか

  • 対象: QRコード決済などの決済アプリで、自分の覚えのない支払い、チャージ、請求の通知があった人。アプリを使っていないのに、カードや銀行口座に決済事業者からの請求・引き落としがあった人も含みます
  • 期限: 補償の申請には期限があります。PayPayは損害発生日から60日以内です。気づいた日ではなく損害が発生した日から数える点に注意してください

必要なもの

  • アプリの取引履歴(日時・金額・店名・決済番号)の画面の保存やメモ
  • 登録しているクレジットカード・銀行口座の利用明細
  • 警察に届け出た日・警察署名などのメモ(届け出たあとに控えます)

手順1. 取引履歴で中身を確かめる

PayPayは、心当たりのない利用・通知・請求・引き落としがあった場合、まず取引履歴で内容に心当たりがないかを確かめるよう案内しています(PayPayヘルプ「心当たりのない利用・通知・請求・引き落としなどでお困りの場合」)。

  1. アプリの[取引履歴]を開く
  2. 該当の取引をタップし、決済番号などの詳細を確かめる
  3. 次のような「実は心当たりがあるもの」ではないかを切り分ける
見覚えがない理由確かめる先
家族が自分の端末やアカウントで支払った家族
サブスクリプションやネット通販の自動課金で、店名の表示が違う登録している外部サービス、店舗
支払い後のキャンセル・返金の処理利用した店舗(PayPayは、支払い後のキャンセルは店舗の手続きが必要と案内しています)

PayPayを使ったことがないのに、クレジットカードにPayPayからの請求があった場合は、カードが不正に使われている可能性があるため、速やかにカード会社に連絡するよう案内されています(PayPayヘルプ「クレジットカードに利用した覚えのないPayPayからの請求がきた」)。

手順2. 支払い手段とアカウントを止める

不正の疑いが残るなら、被害が広がらないように止めます。

クレジットカードを登録している場合: カード会社に連絡してカードを止めます。PayPayは、クレジットカードでの被害はカード会社を通じて補償される場合があるので、まずカード会社に連絡するよう案内しています。カードを止める手順と補償の申請はカードを失くしたとき・不正に使われたときの対応にまとめています。

スマートフォンを失くした・盗まれた場合(PayPayの例): 登録している携帯電話番号を確かめたうえで、「PayPay 携帯電話紛失・盗難専用窓口」(0120-990-633、24時間・365日受付)に連絡すると、本人確認のうえでアカウントの停止処理が検討されます。再開するときは、停止処理の際に伝えられる「4桁の解除番号」をログイン後に入力します。PayPayカードの利用停止はこの窓口ではなく、PayPayアプリかPayPayカードの会員メニューから手続きします(PayPayヘルプ「携帯電話を紛失した場合のPayPayアプリの利用停止・再開について」)。

手元に端末がある場合: PayPayは、一時的に利用しない場合の方法として、外部サービス連携の解除とログアウトを案内しています。ログインに必要なIDやパスワード、SMS認証コードは第三者に教えないよう注意喚起しています(PayPayヘルプ「一時的にPayPayの利用を停止したい」「不正利用・詐欺対策について」)。

手順3. 警察に届け出る

PayPayの補償は、事前に警察へ被害の届出をしていることが条件です。PayPayは、警察への届出がないと電話やメールで連絡をもらっても対応できないと明記しています(PayPayヘルプ「不正利用・詐欺対策について」)。

  • 最寄りの警察署に、取引履歴の記録を持って相談・届出をします
  • 緊急ではない相談なら、警察相談専用電話「#9110」も使えます。警察庁の案内では、発信地を管轄する都道府県警察本部などの総合窓口につながり、携帯電話からもかけられます(ダイヤル回線と一部のIP電話では使えません)

届け出た日と警察署名、受け付けの番号を伝えられた場合はその番号を控えておきます。補償の申請フォームで何を入力するかは、申請の画面で確かめてください。

手順4. 補償を申請する

PayPayの補償制度の条件は次のとおりです(PayPayヘルプ「不正利用に伴う補償申請について」)。

項目内容
対象PayPayアカウントでの第三者利用による心当たりのない請求。アカウントを持っていないのにPayPayからの請求があった場合も申請できる
申請期限損害発生日から60日以内
回数初回の申請か、前回申請した日から1年を超えていること
利用者家族や同居人などの利用ではないこと
警察警察へ被害の届出を行っていること
補償額全額(第三者から補償を受けられる場合は、損害額との差額)
対象外自分で「送る・受け取る」機能を使った取引。故意・重大な過失があった場合は補償できない場合がある
審査期間申請日から約2〜3カ月(3カ月以上かかる場合もある)
申請方法補償申請フォーム(電話や問い合わせフォームでは受け付けない)

※2026年9月24日確認。条件は変更されることがあるため、申請前にPayPay補償制度に関する規約を確かめてください。

つまずく場所と問い合わせ先

つまずく場所窓口
アプリのアカウントを止めたい(端末を紛失)アプリ事業者の紛失・盗難窓口(PayPayは0120-990-633)
登録しているカードで被害が出ているカード会社
被害を届け出たい・相談したい最寄りの警察署、警察相談専用電話「#9110」
SNSの取引などで残高をだまし取られた警察。あわせて消費者ホットライン「188」(消費者庁の案内では、身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する番号)

よくある誤解

  • 「アプリの会社に電話すれば補償してもらえる」: PayPayは、補償の申請は申請フォームからのみで、警察への届出が先に必要だとしています
  • 「気づいてから60日以内なら大丈夫」: PayPayの期限は損害発生日から数えます。履歴は定期的に確かめてください
  • 「だまされて送った残高も補償される」: 自分で「送る・受け取る」機能を使った取引は、PayPayの補償の対象外です。PayPayは、見知らぬ人と残高をやり取りしないよう呼びかけています
  • 「家族が勝手に使った分も不正利用として補償される」: 家族や同居人などの利用ではないことが条件です

早く気づくための備え

  • 支払いの通知(プッシュ通知やメール)を受け取る設定にしておく
  • アプリで自分の「利用可能額」を設定しておく。PayPayでは、支払い・送る・チャージのそれぞれに利用可能額を設定でき、達したときに取引を一時保留にする設定も選べます(PayPayヘルプ「自分で登録する利用可能額の設定方法」)

出典

(いずれも2026年9月24日に確認)