ポイントで「投資」をするサービスには、仕組みの違う2つがあります。ポイント運用は証券口座のいらない投資の疑似体験で、手持ちのポイントが投資信託の値動きに合わせて増減します。ポイント投資は、証券口座でポイントを代金の一部や全部に充てて、実際に投資信託や株式を買う取引です(楽天PointClub「楽天ポイント運用」)。

どちらも元本は保証されません。違いが大きいのは、手に入るもの(ポイントか金融商品か)と、税金の扱いです。この記事では、2つの違いを制度として整理し、始める前に確かめることをまとめます。個別の商品や銘柄の良し悪しは扱いません。

2つのサービスの目的と対象者

ポイント運用ポイント投資
何をするかポイントを預けると、コースが連動する投資信託などの値動きに合わせてポイント数が増減するポイントを使って、投資信託・株式などの金融商品を実際に買う
証券口座不要必要
手に入るものポイント(引き出して買い物などに使う)金融商品(売ると現金になる)
元本保証されない(0ポイント未満にはならない)保証されない
例楽天ポイント運用、dポイント運用楽天証券の「ポイント投資」など

※出典:楽天PointClub「楽天ポイント運用」、dポイント運用「よくある質問」(いずれも2026年9月24日確認)

楽天PointClubは、楽天ポイント運用について「ポイントによる投資の疑似体験であり、本サービスの利用によってユーザーが金融商品を購入し、金融商品の受益権を有するものではありません」と明記し、楽天証券の「ポイント投資」は金融商品である、と区別しています。

ポイント運用の仕組み(公式ページで確認した例)

楽天ポイント運用(楽天PointClub)

  • 「アクティブコース」と「バランスコース」の2つから選びます。アクティブコースは楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)、バランスコースは同ファンド(債券重視型)の基準価額の値動きを原則反映します
  • 通常ポイントが100ポイント以上あれば始められます。期間限定ポイントは使えません
  • 運用しているポイントは引き出して通常ポイントとして使えます。「ポイント数指定」で引き出す場合は、運用ポイント数の90%までです
  • ポイント数が0ポイント未満になることはありません
  • 楽天ポイント運用はSPU(楽天市場のポイントアッププログラム)の対象ではなく、SPUの対象になるのは楽天証券のポイント投資だと案内されています

dポイント運用(dポイント運用「よくある質問」)

  • 運用ポイントは、各コースが連動する投資信託またはETFに合わせて増減し、毎営業日17時ごろに更新されます
  • 利用料・手数料はかかりません
  • 運用成績により減ることはありますが、0ポイント未満にはなりません。減った分の補填はないと明記されています
  • 引き出しの注文後に連動する投資信託などが下がると、実際に引き出されるポイント数が、注文時に指定した数より少なくなることがあります
  • dポイントクラブを退会すると運用ポイントを引き出せなくなるため、退会前に全ポイントを引き出す必要があります

ポイント投資の仕組み

ポイント投資は、証券会社の口座で、ポイントを代金に充てて金融商品を買う取引です。買った後は、現金で買った投資信託や株式と同じように値動きし、売れば現金になります。値下がりすれば、買ったときの金額より少なくなります。

利用するには証券口座の開設が必要です。どのポイントが使えるか、どの商品に使えるかは証券会社ごとに異なるため、口座を持っている(持つ予定の)証券会社の案内で確かめてください。

税金の扱い(国税庁の説明)

ポイント投資で株式等を買った場合

国税庁のタックスアンサー「No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」(令和8年4月1日現在法令等)は、次のように説明しています。

  • 証券会社等で、共通ポイント制度の運営企業から付与されたポイントを使って株式等を買った場合、一般的には、株式等の取得価額はポイント使用前の支払金額(ポイント使用分を含めた金額)をもとに計算する
  • あわせて、ポイント使用相当額は一時所得の総収入金額に算入する

一時所得は「総収入金額−収入を得るために支出した金額−特別控除額(最高50万円)」で計算し、その2分の1をほかの所得と合計します(国税庁「No.1490 一時所得」)。一時所得になるものがほかになく、使ったポイントが年間50万円以下であれば、特別控除の範囲に収まる計算です。

買った株式等を売って利益が出た場合は、現金で買った場合と同じく株式等の譲渡所得等になります。国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税」によると、上場株式等の譲渡益の税率は20%(所得税15%・住民税5%)で、これとは別に、基準所得税額に2.1%を掛けた復興特別所得税がかかります。

ポイント運用で増えたポイント

国税庁のNo.1907では、共通ポイント制度の運営企業から付与されたポイントを使った場合、使ったポイント相当額を、使った日の属する年分の一時所得などの総収入金額に算入するとしています。

一方、ポイント運用で増えたポイントについての個別の説明は、2026年9月24日時点で国税庁のタックスアンサーには見当たりませんでした。引き出したポイントの額が大きくなった場合など、扱いに迷うときは税務署に確認してください。

始める前に確かめること

確かめることどこで
使えるポイントの種類(通常ポイントのみか)ポイント運用・証券会社の案内
引き出し・売却の単位と、反映までの日数同上
手数料の有無同上
減ったときの補填の有無(多くは「なし」)同上
退会時の扱いポイントサービスの規約

使う予定のあるポイントは入れない。 ポイント運用もポイント投資も、使いたい時に値下がりしていることがあります。近いうちに買い物や支払いに充てる予定のポイントは、運用や投資に回さずに取っておく方が安全です。

似たサービスとの違い

ポイントを貯めること自体は、決済や経済圏の選び方で決まります。どのポイントに寄せるかは経済圏を選ぶときに見る条件で、ポイントの期限の管理はポイントの有効期限を切らさない方法で整理しています。ポイントを航空券に替える場合の考え方はポイントをマイルに替えるべきかにまとめています。

よくある誤解

  • 「ポイント運用は投資信託を買っている」: 楽天PointClubは、ポイント運用で金融商品を購入し受益権を持つものではないと明記しています
  • 「ポイントで買えば損をしても現金は減らない」: ポイントも1ポイント1円相当などで使える価値があり、減ればその分の使い道がなくなります。dポイント運用は減った分の補填はないと明記しています
  • 「0ポイント未満にならないので安全」: マイナスにならないだけで、預けたポイントが大きく減ることはあります
  • 「ポイントで買ったので税金は関係ない」: 国税庁は、共通ポイントで株式等を買った場合、ポイント使用相当額を一時所得に算入すると説明しています

出典

(いずれも2026年9月24日に確認)