子どもにキャッシュレスの支払いを持たせるときは、①そのサービスを何歳から、どんな条件で使えるか、②使いすぎを防ぐ設定、③保護者のカードやアカウントを子どもが使えない状態にする、の3つを先に確かめます。たとえばPayPayは、規約で未成年の利用には法定代理人(保護者)の同意が必要としており、2026年3月3日から12歳以上の本人確認に対応しています(PayPay公式、2026年9月24日確認)。

国民生活センターによると、小学生・中学生・高校生が契約当事者となったオンラインゲームの相談は2022年度に4,024件、契約購入金額の平均は約33万円でした。同センターの相談事例には、保護者のスマートフォンのアカウントや、以前に入力したクレジットカードを通じた無断課金が挙げられており、子ども自身の決済アプリの設定だけでは防げない点に注意が必要です。

この記事では、PayPayの公式情報と国民生活センターの注意喚起をもとに、持たせる前の確認と設定の手順を整理します。お金の教育の方針は家庭ごとに違うので、ここでは設定と確認の手順に絞ります。

誰が対象か

  • 子どもの買い物や交通費の支払いを、現金以外にしたいと考えている保護者
  • 子どもに自分の古いスマートフォンを使わせている保護者
  • 子どもが決済アプリを使い始めたが、設定を見直したい保護者

必要なもの

  • 子どもが使う端末(子ども専用か、保護者の端末か)
  • 使いたいサービスの利用規約(年齢・同意の条項)
  • 子どものお小遣いの額と、チャージ・入金の方法の案

手順1. 年齢と同意の条件を確かめる

PayPayの例(2026年9月24日確認):

項目内容出典
未成年の利用法定代理人の同意を得たうえで利用するPayPay残高利用規約 第1条
本人確認12歳から可能(2026年3月3日から)PayPayのお知らせ(2026年3月4日)
PayPay銀行満12歳以上が普通預金口座を開設できる(2026年3月3日から)同上

本人確認をしているかどうかで、使える残高の種類が変わります。PayPayでは、銀行口座に払い出せる「PayPayマネー」を使うには本人確認が必要で、本人確認前にチャージした「PayPayマネーライト」は払い出せません(PayPayヘルプ「PayPay残高を銀行口座に送金(払い出し)したい」)。

ほかのサービスでも、利用規約に年齢や保護者の同意の条項があります。規約の「未成年」「法定代理人」の条項を読んでから始めてください。

手順2. お金の入れ方を決める

子どもの決済アプリにお金を入れる方法は、大きく分けて次の2つです。

方法向いている場合注意点
決まった額を定期的にチャージ・入金するお小遣いの範囲で使わせたい残高以上は使えないので、使いすぎの歯止めになる
保護者のカードなどをひも付ける交通費など必要な支払いを任せたい上限を設定しないと、保護者の支払い能力の範囲まで使えてしまう

迷ったら、決まった額を入れる方法から始めます。 残高の範囲でしか使えないので、使いすぎても損失が限られます。

PayPayでは、2026年3月3日から「PayPay U18応援プロジェクト」として、12〜18歳の本人確認済みの利用者を対象に、PayPay銀行からのチャージ後の支払いにポイントを付ける取り組みが始まっています(付与率や上限は条件つき。PayPayのお知らせ)。キャンペーンは終了や変更があるので、始める時点の条件を確かめてください。

手順3. 使いすぎを防ぐ設定をする

決済アプリ側の上限(PayPayの例): 支払い・友だちに送る・チャージのそれぞれに、1日・1カ月の利用可能額を自分で設定できます。達したときの動きは「自動で取引を続ける」か「取引を一時保留にする」かを選べ、増額や設定の解除には端末の生体認証などが必要です(PayPayヘルプ「自分で登録する利用可能額の設定方法」)。

子どもの端末では、「取引を一時保留にする」を選び、上限を低めに設定しておくと、上限に達したときに気づけます。

オートチャージは付けない: 残高が足りないときに自動でチャージされる設定にすると、残高という歯止めがなくなります。オートチャージの仕組みは電子マネーのチャージで還元はどう変わるかで整理しています。

手順4. 保護者の決済手段を守る

国民生活センター(2024年3月13日公表)は、子どものオンラインゲームの無断課金について、次の対策を挙げています。

  1. 保護者のスマホで遊ばせるときは、保護者のアカウント(AppleやGoogle)からログオフする
  2. 保護者の古いスマホや子ども専用のスマホでは、子ども専用のアカウントを作り、「ペアレンタルコントロール」で管理する。 課金を承認制にできる
  3. アカウント決済とキャリア決済のそれぞれに、決済時の承認(パスワード、指紋認証、顔認証など)を設定する。 パスワードは子どもが推測できない文字列にする
  4. クレジットカードの保管場所に注意し、子どものスマホに入力したカード情報は削除する
  5. キャリア決済は必要に応じて上限額を低くする
  6. 決済完了メールや明細を日頃から確認する

同センターの相談事例には、保護者のアカウントにログインしたままの古いスマホで、子どもが自分の指紋を追加登録して約5万円を課金した例や、以前に入力したクレジットカード番号で約55万円を課金していた例が挙げられています。

手順5. 使い方のルールを一緒に決める

国民生活センターは、子どもと一緒に課金の仕組みを確認し、ルールを決めることも重要だとしています。決めておくとよいこと:

  • 月に使ってよい額と、使い道の範囲
  • 上限に達したとき、残高がなくなったときにどうするか
  • 知らない人から「送金して」と言われたときにどうするか(PayPayは、見知らぬ人との残高のやり取りをしないよう注意喚起しています。PayPayヘルプ「不正利用・詐欺対策について」)
  • 履歴を保護者と一緒に見るタイミング

つまずいたときの相談先

困ったこと相談先
子どもが無断で高額の課金をした最寄りの消費生活センター等(消費者ホットライン「188」)
覚えのない支払いがある・アカウントを乗っ取られた決済サービスの窓口、警察(手順は決済アプリで身に覚えのない支払いがあったとき)
端末を失くした決済サービスの紛失・盗難窓口(PayPayは0120-990-633、24時間受付)

国民生活センターによると、民法では、未成年者が保護者の同意なく契約した場合は取り消すことができます。ただし、子どもが保護者のアカウントでログインしたスマホで課金した場合は、アカウントの所有者である保護者が決済したとみなされる場合もあるとしています。

よくある誤解

  • 「子どもの決済アプリだけ設定すれば安心」: 国民生活センターの相談事例には、保護者のアカウントやカードを通じた無断課金が挙げられています。保護者側の設定も欠かせません
  • 「未成年の契約は必ず取り消せる」: 保護者のアカウントで課金した場合は、保護者の決済とみなされる場合があります
  • 「本人確認をしなくても全部の機能が使える」: PayPayでは、払い出せる残高(PayPayマネー)を使うには本人確認が必要です

レジでの支払い方の違いはコード決済とタッチ決済の違いにまとめています。

出典

(いずれも2026年9月24日に確認)