大手キャリアから格安SIMへ乗り換えたいけれど、手続きの途中でスマホが使えなくなる時間があるのが不安、という人に向けた手順の説明です。乗り換えには「MNPワンストップ方式」と「MNP予約番号方式」の2通りがあり、どちらを使うかによって事前の準備が変わります。以下では両方の流れと、回線が切り替わる時間の目安、うまく切り替わらないときの連絡先までを順番に説明します。
この記事は、オンラインで申し込む乗り換えを前提に説明します。店舗窓口での乗り換えも可能ですが、その場合はMNPワンストップ方式が使えず、必ずMNP予約番号方式になる点だけ先に押さえておいてください。
必要なもの
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど。乗り換え先が指定するもの)
- 支払い方法(クレジットカードが必須の事業者が多いです)
- 今使っている回線の契約者本人であることが確認できる情報(契約者名義、生年月日など)
- MNP予約番号方式を使う場合は、今の契約先で取得したMNP予約番号
- SIMカードを差し替えるための端末(SIMフリー端末か、乗り換え先が動作確認済みとしている端末)
- 端末がSIMロックされている場合は、事前のSIMロック解除(現在販売されている端末の多くはSIMフリーですが、古い端末や分割払い中の端末は解除が必要な場合があります)
- eSIMを選ぶ場合は、プロファイルをダウンロードするためのWi-Fi環境(新しい回線のデータ通信が始まる前なので、モバイルデータ通信には頼れません)
乗り換え先を決める際は、今使っている端末が乗り換え先の周波数帯(バンド)に対応しているかも、申し込み前に乗り換え先の動作確認端末一覧で確認しておくと、開通後に「電波が入らない」という事態を避けやすくなります。
手順
MNPワンストップ方式で乗り換える場合
今の契約先と乗り換え先の両方が対応事業者であれば、この方式を使うと予約番号を取りに行く手間がなくなります。対象になるのは、NTTドコモ、ahamo、au、UQ mobile、povo、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMO、楽天モバイル、IIJmio、mineo、BIGLOBEモバイル、OCN モバイル ONEなど、オンラインでのMNPワンストップに対応している事業者どうしの組み合わせです。対応状況は変わることがあるので、申し込み前に乗り換え先の公式ページで確認してください。
- 乗り換え先のオンラインショップの申し込みページで、「他社から乗り換え(MNP)」かつ「MNP予約番号なし(ワンストップ)」を選びます。
- 今使っている回線の事業者名と電話番号を入力します。
- 契約者情報を入力して申し込みを確定します。ここで、乗り換え元の会員ページ(マイページ)上での転出手続きが必要になる場合があります。案内に従って進めてください。
- 本人確認書類の提出とプラン・SIMの種類(物理SIMかeSIMか)を選びます。
- 審査が通ると、物理SIMの場合は数日でSIMカードが届きます。eSIMの場合は当日中に発行されることが多いです。
- SIMカードが届いたら、または、eSIMのプロファイルをダウンロードしたら、乗り換え先の案内に沿って回線切り替え(開通)の手続きを行います。
MNP予約番号方式で乗り換える場合
乗り換え元か乗り換え先のどちらかがMNPワンストップに対応していない場合、店舗窓口で申し込む場合は、こちらの従来の方式になります。
- 今契約している事業者のマイページ、アプリ、または電話窓口でMNP予約番号を発行します。
- 発行されたMNP予約番号(10桁の番号)と、その有効期限をメモしておきます。有効期限は取得から15日間というのが一般的です。
- 乗り換え先の申し込みページで「MNP予約番号あり」を選び、番号と有効期限、契約者情報を入力します。乗り換え先への申し込み時点で、予約番号の有効期限が7日以上残っていることを求める事業者が多いため、番号を取ったら早めに申し込むことが大切です。
- 本人確認書類の提出、プランとSIMの種類の選択を行います。
- 審査後にSIMカードが届く、またはeSIMが発行されます。
- SIMカード到着後、またはeSIMプロファイル取得後に、開通(回線切り替え)の手続きを行います。この手続きが完了した時点で、今の契約先は自動的に解約扱いになります。
回線が切り替わる時間帯の目安
開通手続きを行うと、旧回線が使えなくなり新しい回線に切り替わりますが、その所要時間は事業者によって案内が異なります。IIJmioは、開通手続きが完了してから10分程度で旧回線が停止し、新しいSIMが使えるようになるとしています。UQ モバイルなど、切り替えに30分程度かかる場合があると案内している事業者もあります。実際にはこれより短時間で切り替わることも珍しくありませんが、外出先で乗り換える場合は、この時間帯だけ電話とデータ通信の両方が使えなくなる可能性を見込んでおくと安心です。また、深夜・早朝は開通手続きの受付自体を停止している事業者があるため、日中の時間帯に手続きを始めれば、その日のうちに切り替えが終わる可能性が高くなります。
つまずきやすいところ・問い合わせ先
- 申し込んだのに開通しない:まず乗り換え先の公式サイトで障害情報が出ていないか確認します。出ていなければ、端末の再起動とAPN(アクセスポイント名)設定を見直します。それでも直らない場合は、乗り換え先のチャットサポートや電話窓口に連絡します。
- MNPワンストップ方式で手続きが止まっている:乗り換え元のマイページでの認証や転出手続きが完了していないことが原因になっている場合があります。この場合は乗り換え元にも状況を問い合わせる必要があります。
- MNP予約番号の有効期限が切れた:期限が切れると、乗り換え先での申し込みが受け付けられません。今の契約先でもう一度予約番号を取り直してから申し込みます。
- 電話がつながりにくい:多くの事業者でサポート窓口は平日の日中が混み合います。まずチャットサポートで状況を伝え、解決しない場合に電話窓口へ、という流れの方が待ち時間を抑えやすいです。
- 物理SIMのサイズが合わない:nanoSIM・microSIM・標準SIMのサイズを取り違えると、届いたSIMがそのまま挿入できません。申し込み画面でSIMサイズを選ぶ欄があるので、今の端末に合ったサイズを選びます。
- eSIMのプロファイルが読み込めない:Wi-Fi環境が不安定だと、QRコードの読み取りやプロファイルのダウンロードが途中で止まることがあります。安定したWi-Fi環境で改めて試し、それでも失敗する場合はサポート窓口で再発行を依頼します。
- 土日・祝日に申し込んだ:審査や開通手続きの受け付けは平日のみ、または平日と土日で対応時間が異なる事業者があります。急いで切り替えたい場合は、平日の午前中に手続きを始めると、同じ日のうちに完了しやすくなります。
よくある誤解
- 「MNP予約番号を取った時点で今の契約は解約される」わけではありません。 予約番号を取得しただけでは何も変わらず、乗り換え先での開通手続きが完了した時点で、今の契約先は自動的に解約されます。
- 「MNPワンストップなら必ず予約番号がいらない」わけではありません。 乗り換え元と乗り換え先の両方が対応事業者どうしで、かつオンライン申し込みであることが条件です。店舗での手続きや、対応していない組み合わせでは使えません。
- 「キャリアメールは乗り換えたら自動的に持ち運ばれる」わけではありません。 ドコモ・au・ソフトバンク/ワイモバイルには、解約後31日以内に別途申し込むことで使い続けられる持ち運びサービスがありますが、申し込みを忘れるとアドレスは使えなくなります。乗り換え後のログイン用連絡先として使っているサービスがある場合は、事前に別の連絡先へ変更しておくと安心です。
- 「SIMが届いた日にすぐ使えなくなる」わけではありません。 回線が実際に切り替わるのは、SIMが届いた後に自分で開通の手続きを行った時点です。届いてすぐに前の回線が止まるわけではないので、都合のよいタイミングで手続きを行えます。