貯蓄から一歩先へ!初心者でもわかる「資産を築く」ための基本ステップ

「毎月コツコツ貯金はしているけど、これだけで将来大丈夫かな…?」「お金を増やすって聞くけど、何から始めればいいの?」そんなお悩みはありませんか?

実は、お金を「貯める(貯蓄)」ことと、「資産を築く」ことは少し意味合いが異なります。この記事では、貯蓄の次のステップとして、お金自身にも働いてもらい、より豊かな未来を目指すための「資産形成」の基本的な考え方と、初心者でも無理なく始められる5つのステップを分かりやすく解説します。

「貯蓄」と「資産を築く」ことの違いとは?

例えば、毎月収入の10%を貯蓄したとします。時間とともにそのお金は積み重なり、必要な時に使える「貯え」となります。これは非常に大切なことです。

しかし、もしその貯蓄したお金を「投資」に回したらどうでしょうか? あなたのお金は、利息や分配金(株式や投資信託などから得られる収益の一部)を生み出し、さらにお金を生み出す可能性を秘めています。これこそが、真の「資産」を築き始めるということなのです。

投資があなたの資産を増やす仕組み

貯蓄したお金を使って、より多くのお金を生み出すこと。これが資産形成の基本的な考え方です。投資は主に2つの方法でこれを可能にします。

  • 利息・値上がり益:投資したお金が利息を生んだり、投資対象の価値が上がったりすることで、当初投じた金額よりも多くのお金を得られる可能性があります。
  • 分配金・配当金:株式や投資信託の中には、定期的に分配金や配当金を支払ってくれるものがあります。これらは、資産が成長していく過程で得られる追加の収入となります。

投資の最大の魅力の一つが「複利(ふくり)」の力です。複利とは、投資で得た利息や分配金を元本に加えて再投資することで、その利息がさらに新しい利息を生む効果のこと。雪だるま式に資産が増えていくイメージです。時間が経てば経つほど、この効果は大きくなります。

例えば、毎月1万円を30年間貯蓄し続けた場合、元本は360万円になります(1万円 × 12ヶ月 × 30年)。しかし、もし同じ金額を年利5%の複利で運用できたとしたら、30年後には約832万円にもなる計算です(税金や手数料は考慮せず)。この差額約472万円こそ、あなたのお金が生み出した「資産」なのです。

資産形成を始めるための5つのステップ

投資は、一部の人だけが行う特別なことではありません。正しい知識を身につけ、計画的に進めれば、誰でも資産形成を始めることができます。ここでは、そのための具体的な5つのステップをご紹介します。

ステップ1:明確な貯蓄・投資目標を設定する

まず、「何のために資産を築きたいのか」を明確にしましょう。目標が具体的であるほど、計画も立てやすくなります。

    • 経済的な自立
    • ゆとりある老後資金

*早期退職(FIRE)の実現

  • 事業を始めるための資金
  • 毎月の追加収入の確保
  • 万が一のための経済的なセーフティネット

目標が決まれば、以下の項目も自然と見えてきます。

  • 目標達成までの期間
  • 必要な貯蓄額・投資額
  • どの程度のリスクを取れるか(リスク許容度)
  • どのような種類の投資を選ぶべきか
  • 毎月いくら投資に回すべきか

【ポイント】
投資とは別に、病気やケガ、急な出費に備えるための「生活防衛資金」(生活費の3ヶ月~1年分程度が目安)を、すぐに引き出せる預貯金で確保しておくことも非常に重要です。

ステップ2:まずは「貯める」習慣と「投資資金」の準備

投資を始めるには、まず元手となる資金が必要です。多くの金融機関では、投資信託の積立なら月々100円や1,000円といった少額から始められますが、ある程度まとまった資金で始めることを考える場合、まずはその資金を貯めることからスタートしましょう。

この準備期間でも、お金を少しでも効率よく増やす意識は大切です。以前は「高金利の普通預金口座」も選択肢の一つでしたが、現在の日本では金利が非常に低い状況です。そのため、まずは給与振込口座から自動的に一定額を別の口座に移す「先取り貯蓄」の仕組みを作る、家計を見直して無駄な支出を削減するなどして、着実に投資資金を準備しましょう。

また、この期間にNISA口座(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度について調べておき、口座開設の準備を進めておくのも良いでしょう。

【ポイント】
定期預金や個人向け国債なども、比較的リスクの低い選択肢として検討できます。ただし、現在の金利状況では大きなリターンは期待しにくい点に留意しましょう。無理のない範囲で、まずは「投資に回すお金」を確保する習慣をつけることが大切です。

ステップ3:投資について学ぶ

これまで投資に馴染みがなかった方にとって、何から学べば良いか戸惑うかもしれません。投資には、株式、債券、投資信託、不動産(REITなど)など、様々な種類があります。それぞれの特徴やリスク、期待できるリターンを理解することが大切です。

主な投資対象の例:

  • 株式投資:企業の株式を購入し、株価の値上がり益や配当金を狙う投資。大きなリターンが期待できる一方、価格変動リスクも大きい。
  • 債券投資:国や企業が発行する債券を購入し、定期的な利子や満期時の償還金を期待する投資。一般的に株式よりリスクは低いとされる。
  • 投資信託:多くの投資家から集めた資金を専門家が運用し、その成果を分配する金融商品。少額から分散投資が可能で、初心者にも始めやすい。インデックスファンド(特定の株価指数に連動するタイプ)やアクティブファンド(指数を上回る成果を目指すタイプ)などがある。

投資を学ぶ際のポイント:

  • 分散投資:卵を一つのカゴに盛らないように、複数の異なる種類の資産に分けて投資することで、特定の資産が値下がりした際のリスクを軽減する考え方。
  • 長期投資:短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産の成長を目指す考え方。複利効果も活かしやすい。
  • 税制優遇制度の活用:日本では「NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった税制上の優遇措置がある制度があります。これらを活用することで、効率的に資産形成を進められます。
  • リスクとリターンの関係:一般的に、期待できるリターンが高い投資は、それだけリスクも高くなる傾向があります。ご自身の目標やリスク許容度に合わせて、適切な投資対象を選ぶことが重要です。

【注意点】
クレジットカードのキャッシングやリボ払いなど、高金利の借金がある場合は、投資を始める前にそちらの返済を優先しましょう。借金の金利は、通常、投資で期待できるリターンよりも高いことが多いからです。

ステップ4:コツコツと継続する

資産形成は、一朝一夕に達成できるものではありません。毎月、あるいは定期的に、無理のない範囲で投資を継続することが成功への鍵です。

毎回大きな金額を投資する必要はありません。むしろ、ある月はたくさん投資し、別の月は資金を引き出してしまう、といった不規則なやり方よりも、少額でも良いのでコンスタントに積み立てていく方が、結果的に資産は育ちやすくなります。

【ポイント:ドルコスト平均法】
定期的に一定金額を投資し続ける方法を「ドルコスト平均法」といいます。この方法では、価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く購入することになるため、平均購入単価を平準化する効果が期待でき、高値掴みのリスクを抑えることができます。特に、価格が変動する金融商品の積立投資に適しています。

銀行口座から投資口座へ自動的に資金を移動し、積立設定をしておけば、手間なく継続的な投資が可能です。これが、忙しい方でも投資を続けるための最も簡単な方法の一つです。

ステップ5:必要に応じて専門家(ファイナンシャルプランナー)に相談する

自分で学ぶことは大切ですが、時には専門家の助けを借りることも有効です。ファイナンシャルプランナー(FP)は、お金に関する幅広い知識を持ち、あなたの目標や状況に合わせたアドバイスをしてくれます。

特に以下のような場合には、FPへの相談を検討してみると良いでしょう。

    • 投資する金額が大きくなってきたとき
    • ライフプラン(結婚、出産、住宅購入など)や収入が大きく変わったとき

*教育資金や老後資金など、具体的なプランニングが必要なとき

  • 自分に合った金融商品の選び方が分からないとき
  • 給与収入だけでなく、投資からの収益で生活することを目指したいとき

FPは、様々な金融商品やそれぞれのメリット・デメリット、リスクについて客観的な情報を提供してくれます。一般的に、期待リターンが高い商品はリスクも高くなります。例えば、20代や30代で投資期間を長く取れる場合は、ある程度リスクを取ってリターンを狙う選択肢もありますが、退職が近づいてきたら、資産を守るために安定志向の運用に切り替えるといった戦略も考えられます。FPはそうした判断の手助けもしてくれます。

まとめ:今日から始める未来のための資産づくり

「貯蓄」から一歩進んで「資産を築く」ことは、より豊かな未来を手に入れるための重要なステップです。収入の一定割合を、貯蓄だけでなく投資にも振り向けることを意識し始めると、お金に対する考え方も変わってくるかもしれません。

この記事でご紹介した5つのステップは、その第一歩を踏み出すための道しるべです。

  1. 明確な貯蓄・投資目標を設定する
  2. まずは「貯める」習慣と「投資資金」の準備
  3. 投資について学ぶ
  4. コツコツと継続する
  5. 必要に応じて専門家(ファイナンシャルプランナー)に相談する

難しく考えすぎず、まずは自分にできることから少しずつ始めてみましょう。大切なのは、学び続け、行動し続けることです。今日が、あなたの未来を変える最初の一日になるかもしれません。


【免責事項】
本記事は、情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資には価格変動リスクが伴い、元本を割り込む可能性があります。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行うようにしてください。また、税制などについては、最新の情報をご確認ください。

この記事の筆者・監修者

ミライ資産ラボ編集部

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